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「東大クイズ女王」河野ゆかりが「読み終えたその瞬間から世界の見え方がガラリと変わる」と出合いに感動した1冊!

ニューズウィーク日本版 / 2024年1月8日 9時0分

ほかにも河野さんは「最後は万事うまくいく。うまくいってないならそれは最後ではない」という言葉に、強く心を動かされたと語った。万事うまく行っているように見える河野さんにも、「うまくいってない」と思うことがあったのだろうか?

「大学一年から二年にかけて、マレーシアにおけるデング熱の罹患者を減らそうというプロジェクトに参加したんです。私は他のメンバーを率いる立場で関わらせていただきましたが、コロナ禍でマレーシアに行くのが難しくなってしまって。そうこうしているうちに、「渡航できないままだと、予算が無駄になってしまう」などのリスクばかりに目が行くようになり、身も心も動けなくなってしまいました。結局諦めてプロジェクトからも離れてしまったことが、ずっと心残りで。もっと粘ればよかったとか、失敗したとしてももう少しできたことはあったかもしれないとか、今でも悔やむ気持ちがあります。あの頃に『新版 20歳のときに知っておきたかったこと――スタンフォード大学集中講義』と出会っていれば、結果は変わっていたかもしれない。だから私の中学生の妹と小学生の弟に、ぜひこの本を渡したいと思っています。20歳までにここに書いてあることを知ってから動くのと、何も知らずにいるのでは、10年後20年後が違ってくると思いますから」

photo:遠藤宏

河野さんに10年後20年後の未来を尋ねると、「まだ全然決まってなくて」とはにかんだ。医療現場で医師として働くか研究の道に進むのかも、まだまだ未知数だという。

「まずは幅広く研修をして、その後は専門医に進むための研修が終わったら少しキャリアをストップして、海外で暮らしてみたいなと思っています。いろいろな場所で、いろいろな人や文化に囲まれて過ごすのもいいかなと。物価が高いのがネックですがスイスや、世界遺産が多いので、イタリアやフランスに行ってみたいですね。ヨーロッパでは基本的に日本の医師免許は通用しないので、何か違うことをして生計を立てるのも面白そうだなと思っていて。もしかしたらキッチンカーで、それこそたこ焼きとか売っているかもしれないです。母にそんな話をしたら止めるどころか、「修行のためにまず、たこ焼き屋さんでアルバイトしなさい。そんなに簡単に作れるものじゃないんだから」って言われました(笑)」

河野さんは先日、水深30mまで潜れるスキューバダイビングのアドバンスコースを修了したばかり。海に触れあいたくて、時間を見つけてはグアムに沖縄にとあちこちの海で潜っているそうだ。

「海の中って陸からは想像できない世界の広がり方をしているので、自分の視野が狭いことに気づかされるんです。自分の当たり前を壊してくれる体験ができるのが、旅行の魅力だと思います。医師ってモデルコースというか、大抵の人が進むステップは確かにあるのですが、自分の専門にだけとらわれるのではなくて、いろんな分野を幅広く見てることが大事だと思っていて。この本のティナさんの言葉は、私の思い込みやとらわれを壊しながら、幅広い視野を持つことの大事さを教えてくれます。だからこれからも1年に1回は読み返して、目先のことにとらわれていないかのチェックに活用したいですね」

『新版 20歳のときに知っておきたかったこと――スタンフォード大学集中講義』
 ティナ・シーリグ[著]
 高遠裕子[訳]/三ツ松新 [解説]
 CCCメディアハウス[刊]

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朴順梨(ライター)


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