「猫も人間が好き。ただ犬より愛情表現が分かりにくい」最新科学が解き明かす猫の本当の気持ち
ニューズウィーク日本版 / 2023年12月28日 17時26分
すると、飼い主の声の後に知らない人の写真、あるいは知らない人の声の後に飼い主の写真という一致しない組み合わせの場合、猫は写真をより長く見ていた。これは、猫の頭の中に飼い主の視覚イメージがあることを示唆している。
実験ではさらに、部屋の複数の場所に設置したスピーカーから飼い主の声を流したところ、声が予想以上に早く室内を移動すると、猫は周囲を見回したり、耳をピクピクさせて驚いたりした。
これは彼らが注意深く耳を傾け、飼い主がいるはずの場所をイメージできることを示唆している(これらの猫には嫉妬する能力もあり、「飼い主が以前になでていた柔らかいおもちゃの猫に、より強く反応した」という)。
YUL38885/ISTOCK
「子犬のような目」ができない
拒絶されるのはつらいものだ。猫が何かと物議を醸すのは、そのせいもあるのだろう。
私たちが仲良くしようとする誘いに、猫は無関心だったり、怯えたり、攻撃的に反応したりすることも少なくない。
多くの人が猫に何回も拒絶されて、自分は猫に好かれていない、わざわざ手をかけてやる価値がないと諦めている。
犬は私たちの関心を引こうと必死になるのに、わざわざこの気まぐれな毛玉の世話をしなくてもいいだろう、と。
猫がいわれのない非難を受ける理由の1つは、単純なコミュニケーションのすれ違いかもしれないと、ビターリら猫擁護派は主張する。
例えば猫には、犬のようにかわいい顔をして私たちの関心を引こうとするような表情筋がない。
数千年にわたる家畜化と繁殖の過程で進化した犬は、顔の速筋線維がオオカミの2~3倍になり、豊かな表情を獲得した。
なかでも目の上にある特殊な筋肉は「子犬のような目」を演出し、人間から赤ちゃんに向けるような甲高い声や表情を引き出す。
対照的に、猫は眉を上げたり悲しそうな顔をしたりできない。彼らの表情の欠如は人間を混乱させるシグナルになりかねないことが、研究で明らかになった。
これはカナダのゲルフ大学の研究チームが19年に行ったもので、85カ国6000人以上の参加者に猫の画像を見せて、ネガティブな反応をしたときの顔か、ポジティブな反応をしたときの顔かを判定させた。
正解率が75%を超えたのは参加者のわずか13%。最も成績がよかったのは獣医師など動物の専門家で、猫のそばにいることが多い人々だった。研究チームに加わらなかったビターリもテストに参加して、満点だった。
猫のシグナルが微妙なことには理由がある。
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