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ChatGPTだけじゃない! 英語学習にもAIフル活用、目的別の最適ツールは?

ニューズウィーク日本版 / 2024年1月2日 9時10分

発音

大半の日本人にとって、英語の発音は永遠の悩みだ。大人になっても適切な指導を受ければ、カタカナ風の発音を劇的に改善できることは実証済みだが、ネイティブ講師に四六時中、指導してもらうのは時間的にもコスト面でも現実的ではない。その点、AIなら音の微妙な違いまで検知できる上に、24時間いつでも練習に付き合ってくれる。

この分野で注目を集めるのが、シリコンバレー生まれの発音改善アプリELSASpeak。スマホに向かって単語や文を読み上げると、音素単位で問題点を解析し、アクセントやイントネーション、流暢さなど多面的な視点でフィードバック。各自の弱点に応じたトレーニングを提供してくれる。

さらに最近は、生成AIを活用した自由英会話のサービスも開始。AI講師を相手に、日常会話からビジネストーク、面接の練習まであらゆるシチュエーションに応じた会話の練習が可能で、発音に加えて、文法や語彙選択についても細かいフィードバックを受けられる。

ライティング

ライティングは独学が難しい、という常識はもう過去の話。AIのおかげで、たくさん書いて、たくさん修正を受けながらライティング力を高めていくというサイクルを、他者の力を借りずに回すことが容易になった。自分で書いた英文と機械翻訳やChatGPTによる英文を比較するだけでも、洗練された表現に出合えたり、発想の違いに驚かされたりする。

修正点を指摘してくれる添削・校正ツールも学びの宝庫だ。Grammarly(有料版)はスペルや文法はもちろん、指定したトーン(語調)やフォーマル度に応じた表現も提示され、さらに変更が望ましい理由も教えてくれる。正確さや語彙の選択、文の構造などに基づき、リーダビリティー(読みやすさ)が100点満点のスコアで示されるのも励みになる。DeepL Writeはネイティブ話者も推敲に利用する文章作成支援ツールで、単語やフレーズ、文全体の書き換え候補を複数提示。文体の設定(一般/ビジネス/学術的など)を切り替えて、各シチュエーションにふさわしい表現を学ぶのも有益だ(現時点ではβ版のため無料)。

一方、ChatGPTはあらゆるリクエストに応えてくれる万能コーチ。添削を依頼して修正すべき理由を尋ねる、英作文の「お題」を出してもらう、など幅広い活用法が考えられる。

リスニング

リスニングの訓練には音源と、その中身を書き起こしたテキストが不可欠。テクノロジーの進化に伴い、あらゆるコンテンツについて、この2点セットを簡単に用意できるようになった。映画や講演のように音声はあるがスクリプトがない場合は、文字起こしAIアプリのOtterやNotta、グーグル・クロームの自動字幕起こし機能などで音声をテキスト化。逆に、新聞記事のようにテキストはあっても音声がない場合はNaturalReader、音読さん、ElevenLabsなどの音声合成アプリに文字データを入れてリスニング用の音源を作成しよう。読み上げスピードを調整できるものも多く、音読やシャドーイングの素材として利用しやすい。

映画やドラマの会話を聞き取れるようになりたい人には、ネットフリックスやYouTubeの動画に原文の英語と日本語訳の2言語字幕を同時に表示できるブラウザ拡張機能Language Reactorが便利。字幕の英単語にカーソルを合わせると意味が表示されるほか、聞き直したいセリフに飛んだり、再生速度を変更するのも簡単。アマゾン・プライム・ビデオ向けのSubtitlesfor Language Learningにも類似の機能がある。



井口景子(ジャーナリスト、翻訳者)


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