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独走するトランプ前大統領の再登板に死角はあるのか

ニューズウィーク日本版 / 2024年1月29日 13時23分

ヘイリー前国連大使が副大統領候補者になる可能性もゼロではない。(現時点では両者ともに可能性を否定しているが。)ヘイリー選対の幹部はラストベルト地域の政治関係者によって構成されている。そのため、ヘイリー選対は全体として敗北が見えていたとしても、予備選挙から容易に撤退せず、同地域も含めた接戦州でのヘイリー支持のパフォーマンスを誇示することに拘るはずだ。それらの得票はトランプ前大統領がバイデン大統領に確実に勝利するために、喉から手が出るほど欲しい票だからだ。

トランプ前大統領の首に鈴をつけたがっているビリオネラが予備選挙で連敗したヘイリーに更に資金投下を加速させている理由もそれだろう。それらの人々は何としてもヘイリー前大統領を副大統領候補者として送り込むための取引材料を作ろうとしているのだ。

トランプ前大統領の選択と未来のアメリカ

したがって、トランプ前大統領には副大統領候補者として、MAGA系、保守派系(=議会指導部)、穏健派の3種類のカードを持っている。どのカードを切るかは、バイデン大統領とのレースの状況次第と言える。

もしもトランプ前大統領が自らの人気を絶対のものと見做し、MAGA系の副大統領候補者を選ぶなら、それはトランプ前大統領にとっては運命を変える一手になってしまうかもしれない。

彼が己のプライドと勝負の手堅さのいずれを選ぶかは、トランプ新政権が誕生する場合、現在のトランプ前大統領の本質を見抜く重要なポイントになるだろう。

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