1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

「安定した会社で定年まで...」では逃げ切れない時代に...「キャリア」と本気で向き合うのに必要なこと

ニューズウィーク日本版 / 2024年2月29日 17時21分

著書にも「いまだない価値」や「ターニングポイント」「起点」といった言葉が数多く出てきます。それは、変化の起点になり、それが波及していくような世界観を大事にしているから。ミッションで「人が本来持つ可能性を実現し合う」と表現しているのも、連鎖するような社会構造をイメージしているからです。

フライヤー代表取締役CEOの大賀康史(右)と徳谷智史さん

こうした社会を実現するために、組織のコンサルティングも人材育成もやるし、スタートアップへの出資や支援もします。一方で、個人のキャリア選択、さらにいうと生き方のスタンダードが変化しないと社会は変わらないので、個人も、企業経営者やチームを率いる人も支えていきたい。

事業には社会的なインパクトの大きさが問われるので、仕組み化やビジネスモデル化は当然必要です。でも、「目の前の一人が変わらないのに、いきなり仕組みだけで本当に社会が変わるのか?」とも思っています。その人が自分自身と向き合って変化し、その影響が周囲に広がっていくことを大事にしたいですね。

大賀 一人ひとりに向き合う視点と、社会全体を見る視点の両方を大事にされているのは、そうした背景があったのですね。徳谷さんがこうした使命感を持つようになった原体験はありますか。

徳谷 原体験は2つあって、1つは、幼少期に身内を失った経験です。人生は有限なのだと突きつけられました。

2つめは、海外放浪の経験。人は周囲からラベルを貼られるけれど、環境が変わると違うラベルを貼られると知りました。途上国で、恵まれない環境から構造的に抜け出せない人たちを直接目の当たりにして、「我々なんてちょっとしたきっかけで、いくらでも変われる」と改めて気づいたのです。

実際に、たった一人でも本気で向き合ってくれる人と出会ったり、チャレンジングな環境に身を置く機会が得られたりすると、人は変われるし、自分では気づいていない可能性を発揮できる。だから、私たちが、人を「変える」のではなく、本人の心からの在りたい姿を見出して「変わるきっかけ」をつくる、という意識でいます。

大賀 その感覚にとても共感します。「人を変える」というのは若干おこがましいように思うし、その人が本来持っている可能性を活かすきっかけをつくることなら、周りの人も何かしてあげられる気がしますね。スタートアップ経営者の方々も、徳谷さんに心を開いて、自然と変容に向かっているように思います。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください