キノコ、代替肉、セラム...体の中から若返り! 世界最新美容トレンドを追う
ニューズウィーク日本版 / 2024年3月15日 10時10分
「でも『スーパーグープ!』のパウダー状サンスクリーンなら、いつでもどこでも素早く塗り直せる。大切なのは(夏のビーチだけでなく)普段から紫外線対策をすること。紫外線のダメージは、積み重なると取り返しがつかない」
■トレンド
①よりインクルーシブに
美容・化粧品業界のブランドはまだ、消費者のさまざまな肌色や体形、髪質に対応できていない。「社会全体が多様性と包括性を重視し、変化を求め続けるなかで、美容業界も対応を迫られている」と本誌に語ったのは、美容外科医のキンバリー・リー。
「これからはさまざまな肌の色や髪質に対応できる製品がさらに必要とされるだろう」
消費者の意識の変化はメーカー側も無視できない。ある市場調査によると、美容製品の購入に当たって特定のブランドにこだわると回答した人は非白人で約25%。この数字は白人のほぼ2倍だ。
②オゼンピックの影響
2型糖尿病の治療薬として承認されていたGLP-1受容体作動薬のセマグルチド注射剤(商品名ウゴービ)は、21年に長期的な体重管理への適用がFDAに承認され、以来、利用者が大幅に増加した。
一方で昨年には、肥満治療薬として未承認のセマグルチド製剤「オゼンピック」の乱用が問題になり、無責任な処方や使用が懸念された。
「今後5~6年で、1500万人以上が減量目的でこの薬を使うと予測される」と、アメリカ美容整形学会のスティーブン・ウィリアムズ会長は本誌に語った。
「減量意識の高まりで、一時的には腹部の脂肪吸引など、主にボディーの美容整形需要が高まるだろう」と、ウィリアムズは言う。
「一方でオゼンピックのような薬のせいで脂肪が減りすぎたと感じる人がいれば、逆に脂肪をつける手術、例えば胸や腕をふくよかに見せる手術が増えるかもしれない。また体重の軽い人が増えれば、股関節や膝関節の手術は減るかもしれない」
オゼンピックの無責任な使用で急激に脂肪が減少し、顔の皮膚がたるんでしまった顔を「オゼンピック・フェイス」と呼んだのは、著名な美容皮膚科医のポール・ジャロッド・フランク。
彼の見立てでは、セマグルチド剤で無理に減量する人が増えれば、失われたボリューム感を取り戻すためにフィラーを入れたがる人も増えるはずだ。
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