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日本で「外国人を見た目で判断する」ことの弊害が噴出中

ニューズウィーク日本版 / 2024年3月16日 20時28分

しかし、法律では「日本国内に住所を有しない外国人」のみが対象だと記されている。厚生労働省のホームページには、僕のように日本に住所のある人のパスポートのコピーを取る義務はホテルにないし、宿泊客は何も提示する義務もないと、はっきり書いてある。「僕のように」とは書いていないけど。

この二重基準によってホテルのスタッフはとてもかわいそうな状況に置かれている。「来日外国人」と「在日外国人」は言葉としても似ているけど、本人たちもよく似ている。見た目で判断できない。住所があるかどうか、証明書を見るしかない。しかし、それを見せる義務はないのだ。

よっし! 法律改正して在日外国人も在留カードをホテルで見せる義務を課そう! 

そう思うかもしれないが、それでも問題は解決しない。そもそも外国人かどうかも見た目で判断できないから。今の時代は「外国人っぽい」見た目の日本人も沢山いる。(日本代表のスポーツ選手だけでも何人か思い浮かぶでしょう)。彼らも僕と一緒でパスポートを持ち歩かないでしょうけど、僕と違って在留カードさえ持っていない。どちらかを見せないと泊まれないとなったら「外国人っぽい」日本人が一番困るだろう。

ちなみに、僕の子供も日本人だが、きっといつかホテルで言われるだろうね。父としてそれが一番切ないかもしれない。

同時に、「日本人っぽい」外国人も沢山いる。見た目での判断だと彼らのパスポートのコピーを取り損ねている可能性も大きい。「テロ対策」が不完全だぞ!

では、どうすればいいのか? その答えは簡単。見た目で判断せずに、全ての宿泊客に対して接客のルーティーンを統一させればよい。もちろん、やり方は複数考えられるけど。

例えば:
・全員に身分証明書の提示を求める(だいたいのグローバルスタンダード)。
・全員に名前、国籍、住所を書いてもらう(性善説由来の自己申告)。
・コンビニの未成年飲酒防止システムを転用し、チェックイン画面に「日本国籍、または日本に住所ありますか?」に「YES」か「NO」を押してもらう(性善説に利便性!)。

どれを導入しても、今よりダイバーシティに寛容で平等な社会の理想に近づくでしょう。チェックイン係も楽になるでしょう。そして「外国人っぽい」人の切ない表情も前より見られなくなるでしょう。

まあ、見たいときはいつでもリクエストに応えてその格好いいバージョンをお見せしますけど!

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