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汚染・危険・荒廃...世界の「最悪の土地」12カ所を訪れた作家が見つけたもの

ニューズウィーク日本版 / 2024年3月18日 16時20分

――キプロス島の緩衝地帯に、秘密裡に入り込んだある男の感想である。フェンスの向こうではごく普通の生活が営まれているが、45年間、人間が消えた場所は何か独特な効果をもたらすようだ。

●Everywhere I have looked, everywhere I have been - places bent and broken, despoiled and desolate, polluted and poisoned - I have found new life springing from the wreckage of the old, life all the stranger and more valuable for its resilience.
(私が見たすべての場所、私が訪れたすべての場所、激しく破壊され、略奪され荒れ果て、汚染され毒された場所に、私は新しい生命が生まれつつあるのを見た。古いものの残骸から、その回復力によって、奇妙で、より有用性の高い生命が生まれてくるのを見た)

――終末論というものがあるが、著者は認めない。水も種子もないところから植物が育ち、人間が住めなくなった土地に動物が増えているのを、自分の目で見たからだ。

著者が述べるように、世界の最悪の場所ばかりを次々に並べる本書は、暗黒の書というべきかもしれない。しかし実のところ、本書は救済の書なのである。地球上で最も汚染された土地は、どのようにして生命の可能性を育むのだろうか。

『人間がいなくなった後の自然』
 カル・フリン 著
 木高恵子 訳
 草思社

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オイルシェール炭鉱跡地 Iurii Morozov-shutterstock

エストニアの農業地帯にある廃屋 juerginho-shutterstock

イギリス領の島の首都プリマス James Davis Photography-shutterstock

カリフォルニア州のソルトン湖 gabriel12-shutterstock

木高恵子 ※編集・企画:トランネット


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