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【地図】【戦況解説】ウクライナ防衛の背骨を成し、ロシア軍が次に狙う「要塞都市」群はココだ──ISW

ニューズウィーク日本版 / 2024年4月15日 21時30分

ドネツク州のロシア占領地を走るロシア軍戦車(4月6日) REUTERS/Alexander Ermochenko

<ゆっくりとだが着実に占領地域を広げているロシア。次に狙うのは東部ドネツク州を完全占領下に置くことだ>

ウクライナ軍トップが東部での戦況が「著しく悪化している」と明らかにする中、米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は4月13日、ウクライナ東部ドネツク州の防衛を支える「背骨」に関する見解を、地図とともに発表した。

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ISWによれば、ロシアはスラビャンスク、クラマトルスク、ドルジュキウカ、コスティアンティニウカなどドネツク州の複数の大きな町の奪取を目指しているという。

Institute for the Study of War

ISWは前線から12~30キロメートルの距離にあるこれらの町を「要塞都市」と表現。前線から30キロ南に離れたポクロフスクも防衛ラインの一部となっているという。

 

13~14日にかけて、ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は、ロシアによるドネツク州での攻撃がここ数週間、激化していると明らかにした。中でも前線周辺の戦況は「ここ数日で著しく悪化している」という。

シルスキーは声明で、ポクロフスクに向かっているロシア側は、戦車や歩兵戦闘車を「数十両」使ってウクライナ軍の防衛を破ろうとしていると述べた。ポクロフスクは1年近く前にロシアに占領されたバフムトの南西に位置する。

「ドルジュキウカとコスティアンティニウカに対するロシアの脅威は、作戦上非常に重要だ。なぜならこれらの『要塞』都市はドネツク州および東部ウクライナ全般におけるウクライナの防衛を支える『背骨』になっているからだ」とISWは13日、指摘した。

西に向けてさらなる攻勢を目指すロシア

バフムトの西方、コスティアンティニウカに近い町チャシブヤールを占領すれば、ロシアは「ウクライナの防衛ラインにある南部の『要塞』都市に対する直接攻撃を始める」ことが可能になるとISWは指摘した。

またシルスキーは、ロシアの司令官たちが対独戦勝記念日の5月9日までにチャシブヤールの占領を目指していると述べた。クラマトルスクに向けて進軍する計画もあるという。クラマトルスクはドルジュキウカの北、スラビャンスクの南にある町だ。

Institute for the Study of War

ウクライナ軍がロシア側の攻撃を撃退する能力は西側、とりわけアメリカからの軍事援助にかかっていると、西側のアナリストたちは強調している。ロシア軍はゆっくりとだが着実に西に向けて占領地域を広げており、ウクライナ軍は主要装備や弾薬の不足に対処しながらその奪還を試みている。

ロシアは早ければ5月末にも攻勢を始めると予告しているが、米連邦議会では党派対立により、600億ドル相当の支援パッケージを可決できないままだ。

「アメリカがウクライナへの援助を再開せず、ウクライナ軍で主要な大砲や防空に使う弾薬が不足した状態が続くなら、訓練と装備が不足したロシア兵であっても、攻勢作戦を成功裏に行うことができるかも知れない」とISWは13日、指摘した。



エリー・クック

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