自分が生み出す「抜けた体毛、排泄物、垢、体臭...」を記し続けてわかったこと
ニューズウィーク日本版 / 2024年5月1日 11時5分
汚穢とは、通常の分類からはみ出た例外的なもののことである──。不浄についての人類学の古典、『汚穢と禁忌』(ちくま学芸文庫、2009年)において、かつてメアリ・ダグラスはそう書いた。しかし例外的なのは、実はきれいに分類可能なものごとのほうではないのか。
汚穢とは、様々なものが境界をはみ出し混じり合う、生命力と危険に満ちた場である。そのただなかで、自分と他者とが生き続けることができる状況をかろうじて保とうとする。人の日常の営みとは、おそらくそのようなものなのである。
酒井朋子(Tomoko Sakai)
京都大学人文科学研究所准教授。Ph.D(ブリストル大学)。「危機のなかにある日常」をテーマに、紛争や災害、公害にかかわる人類学研究を行なう。主なフィールドはアイルランド、イギリス、福島県東部。主な著作に『紛争という日常──北アイルランドの記憶と語りの民族誌』(人文書院、2015年)、『汚穢のリズム──きたなさ・おぞましさの生活考』(左右社、2024年、共編著)。
※本書は2021年度 サントリー文化財団研究助成「学問の未来を拓く」の成果書籍です。
『汚穢のリズム──きたなさ・おぞましさの生活考』
酒井朋子/中村沙絵/奥田太郎/福永真弓/オスカー・レン/古田徹也/原口剛/比嘉理麻/市原佐都子/斎藤喬/藤原辰史/井上菜都子[著]
左右社[刊]
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)
この記事に関連するニュース
-
魚と野菜の循環生産、認知度高める好機 大阪公立大植物工場研究センター長 北宅善昭氏 万博未来考 第3部 番外編
産経ニュース / 2024年11月15日 7時0分
-
アクセンチュア、京都大学と包括連携協定を締結
PR TIMES / 2024年11月14日 18時15分
-
カマンベールを習慣に 認知機能維持できる可能性 明治が研究成果
食品新聞 / 2024年11月11日 11時10分
-
「最近、字を書いていない人」は大事なものを失っている…東大教授が授業中に愕然とした"東大生の返答"
プレジデントオンライン / 2024年11月9日 17時15分
-
太陽化学株式会社は日本トイレ研究所の啓発活動「トイレweek2024」(11月10日・いいトイレの日~11月19日・世界トイレの日)に協賛
PR TIMES / 2024年11月8日 18時15分
ランキング
-
1米海軍哨戒機が台湾海峡飛行、中国軍は「大げさな宣伝」と反発
ロイター / 2024年11月26日 18時33分
-
2政府が政労使会議開催、石破首相「今年の勢いで大幅な賃上げを」
ロイター / 2024年11月26日 13時46分
-
3パキスタン、元首相釈放求めデモ激化=首都に軍配備、衝突で死者も
時事通信 / 2024年11月26日 20時41分
-
4【速報】韓国外務省が「日本が見せた態度」への遺憾を日本大使館に伝える 「佐渡島の金山」の追悼式に不参加
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月26日 15時4分
-
5フィリピン正副大統領、対立激化が「殺し屋依頼」に発展 対米中外交に影響も
産経ニュース / 2024年11月26日 19時25分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください