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新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

ニューズウィーク日本版 / 2024年5月10日 16時22分

こういうトラブルは大昔から続いているようで、こんなことわざもある。

「女郎に誠あれば晦日(みそか)に月が出る」

女郎(じょろう)とは江戸時代の遊女、すなわち現代で言えば、水商売・風俗業に従事する女性たちを意味する。晦日(陰暦の30日)は月が見えない新月の日。「水商売の女性が正直者だとしたら、新月の日に月が見える」といった意味で、彼女たちに誠実さを求めることは構造的に無理があるのだ。

「女郎の千枚起請(きしょう)」

という言葉もある。起請とは誓約書を意味する。「遊女は何枚でも誓約書を書いてしまう」ということで、水商売の人間の約束などまったく信用ならないといった意味合いだ。

昨今のXは、「話し相手のいない孤独で不幸な人」が集まる空間になりつつある。ホストやキャバクラにどハマりしてしまう人々と完全に客層が一致しており、そう考えるとX上で和久井容疑者への同情の声が広まるのは、自然の摂理かもしれない。

「推し活」「オタ活」と称してアイドルやアニメのキャラクターに大金を注ぎ込むことがメディアなどで肯定され過ぎていることも、背景にあるかもしれない。いい歳をした大人が、親子ほど歳の離れた人間を恋愛感情込みで推す感情は、本来ちょっと恥ずかしいと捉えるべきではなかろうか。

ガールズバーやキャバクラ、ホストクラブはあくまで疑似恋愛であり、ファンタジーを楽しむ場。常識ある大人としては、そう肝に銘じたいものである。




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