「病院で待つ必要ナシ!」 自宅にいながら医療サービスを受けられる時代が来た
ニューズウィーク日本版 / 2024年5月24日 13時35分
ジェイコブ・クピエツキー
<新型コロナウイルスのパンデミックを経て整備が進む「遠隔医療」。画面越しの診察は、医療機関と患者双方にメリットがある>
パンデミックへの対応からパンデミックとの共生へ──私たちはそんな変化をリアルタイムで経験している。働き方も変わった。リモートワークやオンライン会議が普及し、アメリカでは多くの新築住宅にホームオフィスが設けられるようになった。
変化の波は医療にも及んでいる。遠隔医療は以前からあったが利用は限定的だった。2019年以前は医師不足の過疎地などを除けば、遠隔医療にはメディケア(高齢者医療保険制度)が適用されなかった。
だがパンデミックで医療ニーズが急増する一方で、対面での接触を避ける動きが広がり、遠隔医療の普及が加速度的に進む状況になった。
それから3年。パンデミックの最中の危機感は薄れたものの、遠隔医療は医療提供の標準的な新手法として定着しつつある。
遠隔医療は離れた場所にいる医師と患者をオンラインで結んで提供される医療で、患者にとっては自宅にいながらにして医療サービスを受けられるメリットがある。
もう1つのメリットはコミュニケーションの取りやすさだ。患者はウェブサイトにアクセスするかアプリをダウンロードしてネット経由でクリニックに連絡を取る。気になる症状や治療の要望、既往症などを事前に伝えておけば、医師は忙殺されずスムーズに診察の段階に進める。
クリニック側にも利便性がある。アプリで予約のリマインダーや受け付け手続き、問診票の回収チェッックなどの事務作業を自動的に処理できる。自動音声応答システムを導入すれば、スタッフが電話で患者に応対せずに済み、患者側もアプリの操作手順に苦戦することなく、気になることを聞いて不安を解消できる。
高画質映像や大容量データの伝送が可能になり、今や多くの医療行為はリモートで行える。遠隔医療の導入は医師の働き方改革にもつながる TOM WERNER/GETTY IMAGES
加えて、医療機関側は患者の容体を遠隔でモニターできる。
手術などの治療後には一定期間、病状が軽快しているか、副反応が出ていないかなど経過観察が必要な場合がある。これを医療機関で行うと、資金とコストがかかる。可能な場合は患者が自宅で療養し、医師が遠隔でモニターする方法を取れば、入院患者を減らせる上、容体の急変に医師が即座に気付いて対応できる。
高齢化の進展で普及が急務に
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