1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

【独占】「難しいけれど、スローダウンする」...カナダ首相夫人が自伝につづった「夫と家庭と心の問題」とは?

ニューズウィーク日本版 / 2024年5月30日 14時30分

「私が話を聞いた多くのシングルマザーは、社会的に弱い立場に置かれ、世の中から疎外されていた。そんな状態では人として成長していけない。友人に、近所の人に、コミュニティーにもっとサポートを求めればいい。そうすることで互いの絆が強まれば、誰も取り残されずに済むと思う」

仕事のプレッシャーや人間関係、家族への責任に押しつぶされそうになっても、自分の抱える痛みを見つめ直して、メンタルヘルスの維持に前向きに取り組むこと。それが重要だとも彼女は言う。

夫のジャスティン(右)と(2012年) JEMAL COUNTESS/GETTY IMAGES

精神的な豊かさを重視

さまざまなプレッシャーに耐えて「全てを手に入れる」ために難しい綱渡りを強いられている女性にとって、支え合いは本当に大切だとソフィーは考える。

「目標達成がゴールだなんて考えは捨てよう。母親という存在は家族の要だから、家族全員の心の負担を引き受けるしかない」

アメリカでは放置されたままのメンタルヘルスの問題が仕事を休む最大の理由になっており、そのせいで医療費が膨れ上がり、学校の欠席率も高くなっている。

実際、ギャラップ社の最近の調査によれば、アメリカでは労働者のほぼ5人に1人が自分のメンタルヘルスについて「まあまあ」か「良くない」と回答しており、従業員のメンタルヘルスの問題で生産性に年間約480億ドルの損失が出ているという。

「従業員のメンタルヘルスが改善されれば企業の業績は上がるというデータもある」と、ソフィーは言う。「上司も部下と同じようにメンタルを病んでいる。だから『メンタルの豊かさなくして資本の豊かさなし』なの」

ソフィーの活動を、女優グウィネス・パルトロウが立ち上げたウェルネス系ブランド「グープ」と比較して論じたがる向きもあるが、彼女は意に介さない。

「そんなの、軽く受け流すのが一番。真に受けたら道を踏み外してしまう。ああ、でもグウィネスには商才があるみたい。幸運を祈るわ!」

 『Closer Together(もっと寄り添って)』
 ソフィー・グレゴワール・トルドー/Sophie Grégoire Trudeau[著]
 Random House Canada/PENGUIN[刊]

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)


自伝と「前進」について語るソフィー・トルドー

Sophie Grégoire Trudeau is determined to move forward/CBC News: The National

 

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください