1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

SF映画の世界...サウジ皇太子が構想する直線型都市は「未来の街」か「監視社会」か

ニューズウィーク日本版 / 2024年6月18日 18時29分

それでもイスラム原理主義的な王家が支配するサウジアラビアは、前衛的なアイデアによるイメージチェンジを図っている。目指すは近代的なだけではなく、ヒップで自由な政府のイメージだ。

この意味でサウジアラビアの取り組みは、ヨシフ・スターリンが芸術と建築に対して従来型のアプローチを取る前の、初期のソ連が行った芸術的実験に似ている。

ザ・ラインは最終的に、「AIが運営」する世界初の「認知都市」になるという。それが何を意味するのかは誰も説明していない。だが、全面的な監視は避けられないようだ。

サウジアラビアで起きている全てのことをイメージ戦略として片付けるのは間違っているし、全てのイメージ戦略が効果的だと想定するのも間違いだ。ムハンマドを「サイバーパンク」や「クール・アラビア」と関連付ける記事の中にも、カショギの名前は登場する。

一つ確かなのは、新しいスタイルの独裁者が自分たちに好都合な物語や情報操作を必要としているということだ。プロジェクトが幻想的であるほど、物語は魅力を増す。他国の独裁者たちがその点に注目し、いつか同じような都市を建設しようとするかもしれない。

From Foreign Policy Magazine

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください