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CO2除去ビジネスの成功に懸ける米テック大手の目利きは確かか?

ニューズウィーク日本版 / 2024年6月24日 19時29分

クライムワークスのクライアント・ソリューション担当副社長、エイドリアン・シーグリストは、テック大手が同社をはじめとするCDR業界に初期の段階から最も多くの支援を提供してきた主な理由を3点挙げた。

「第1に、テック企業自身が脱炭素化を迫られている」と、シーグリストは言う。「そのプレッシャーはAI革命によってさらに高まっている」

大規模なAIモデルの学習と運用には、より大きなコンピューティング・パワーが必要になる。データセンターはますます巨大化して電力を消費し、それを冷却するためにさらに多くの電力が必要になる。

米国電力研究所(EPRI)の最近の予測によると、2020年代の終わりまでに、データセンターの電力消費量はアメリカで生産される全電力の最大9%、現在の2倍になる可能性があるという。

テック大手の大規模な投資の理由としては第2に、テック企業の文化がCDRの先駆的な性質とよくマッチしていることが挙げられる、とシーグリストは言う。

「テック企業はイノベーションに慣れている。だから、彼らが同じ感覚で気候変動分野に目を向けるのは、ある意味自然なことだ」

3番目は? そう、金だ。テック企業は、CDRの会社が規模を拡大しようとしているときに、それを実現するためのリソースを持っている。

気候科学者は、CO2排出量を迅速に削減し、クリーンエネルギーを増やすだけではなく、世界規模で、既に大気中に過剰に排出されたCO2を削減する方法を見つけなければならないと言う。

気候変動に取り組む独立系調査会社のローディアム・グループのパートナー、ジョン・ラーセンは本誌の取材に対し、「CO2除去は、気候変動を解決する戦略として、非常に重要な要素だ」と語った。

ローディアムは、今年初めにCDR手法の現状に関する本格的な報告書を作成した。その結論は、「CDRは成長する必要がある」ということだ。

「今世紀半ばまでに、アメリカだけで約10億トンのCO2を除去する必要がある」と、ラーセンは言う。ローディアムの調査では、このままではアメリカが2035年までに除去できるCO2は、約5000万トンにすぎないという。「まだまだ先は長い」

ローディアムの報告書には、植林や農業といった自然の力を使ったソリューションから、クライムワークスのマンモス・プラントの未来的な技術まで、さまざまなCDRの手法が取り上げられている。

「方法はいろいろだ」とラーセンは言う。そして費用も、長所短所も、環境への影響もソリューションによってそれぞれ異なっている。

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