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イスラエルがハマスと同時にヒズボラにも戦争を仕掛けたがる理由

ニューズウィーク日本版 / 2024年6月29日 21時18分

2006年、ヒズボラは、捕らえた2人のイスラエル兵の救出を目的としたレバノン南部へのイスラエル国防軍の進撃を阻止することができた。結果は実質的に引き分けで、2人の兵士は2008年にレバノン人捕虜と交換された。

当時、多くのアラブ人オブザーバーは、軍事力で圧倒的に不利な紛争を引き分けにもちこんだヒズボラは、政治的・軍事的に勝利したと判断した。

この紛争中と紛争後しばらくの間、ナスララは、サウジアラビアなど保守的なスンニ派アラブ諸国の支配者に嫌われていたにもかかわらず、この地域で最も人気のある指導者の一人だった。

歴史は繰り返すのか

歴史は繰り返すのか──これは、イスラエルがヒズボラとの戦争を議論する場合避けて通れない問題だ。現在の状況とチャーチルの言葉との関連も明らかだ。

ほとんどの軍事専門家は、二つの正面で戦争を構えることには警告を発するだろう。ジョージ・W・ブッシュ元米大統領は、アフガニスタン戦争にまだ決着がつかない2003年にイラク侵攻を開始した。その結果、米軍は大きな犠牲を払い、国も壊滅的な損失を被った。

19世紀のアメリカの作家マーク・トウェインは、「歴史は繰り返さないが、しばしば韻を踏む」と言ったと伝えられる。イスラエルの指導者たちは過去からの響きに耳を傾けるだろうか。

Ian Parmeter, Research Scholar, Centre for Arab and Islamic Studies, Australian National University

This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.

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