サラ・マクラクラン、名盤『エクスタシー』を語る 「もう好きなようにやるって開き直った」
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月29日 11時6分
マクラクランは『エクスタシー』を、ほかのどのアルバムよりもすんなり曲が生まれた1枚と表現する。芸術的にもっと冒険していいのだと手応えを感じながら、彼女はこの作品を作り上げた。
「(88年の)デビュー作『タッチ』は高く評価されたけれど売り上げは今いちだったから、2枚目では前作を超えなきゃと肩に力が入った。でも3枚目になると『いいや。もう好きなようにやる』という開き直りの境地に。贅沢なことに、創作面では自由にさせてもらえた。それが成功の一因だと思うし、楽しかったのは間違いない。前作のようなプレッシャーを感じず、自分らしさを追求できた」
孤独、不安、メランコリー、憧れに希望。マクラクランの艶のあるボーカルが、豊かで深みのあるサウンドと空気感をバックに多彩な心の機微を浮かび上がらせる。
ダークで強烈な印象を残すオープニングナンバー「ポゼッション」は、ファンのストーカー行為に怯えた体験を基に書かれた。「恐ろしくて訳が分からなかった」と、マクラクランは回想する。
「ポゼッション」
「グッド・イナフ」は女性に対する暴力を取り上げて、胸に迫る。
「グッド・イナフ」
「あの曲では親しい女友達をモデルにした。恋人の虐待に耐えている彼女に、『あなたにはもっとふさわしい人がいる』と伝えたかった。これは友情ソングであると同時に、聞く人みなに『あなたには自分で思うより大きな価値がある』と訴えた曲なの」
ラストを飾る2曲「おそれ」と「エクスタシー」ではアルバムのテーマを凝縮するかのように、それぞれ不安と勇気を歌った。
「私は人生の暗い面に引かれるたちなんだと思う。試練を歌にすると嘘みたいに気持ちが晴れるから」と、マクラクランは言う。「でも楽観的な面もあって、歌詞に希望を込めることを大事にしてきた。暗いテーマに引かれるからこそ、希望を探さないと幸せな自分に戻れない(笑)」
「おそれ」
伝説のフェスが「誇り」と語るマクラクラン
『エクスタシー』をリリースした後の2年間は公演に明け暮れ、ツアーを通じて知名度を上げた。「200人だった観客が1000人、2000人へと増えた。そうやってファン層を築いていった」
『エクスタシー』の評判と売れ行きを土台に、97年には『サーフィシング』が世界で大ヒット。リリス・フェアを主宰し、ヘッドライナーを務めたのもこの年だった。
シェリル・クロウ、トレイシー・チャップマン、フィオナ・アップルをはじめ豪華メンバーが集結した伝説のフェスについて、マクラクランは「今でも胸が躍る」と語る。
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