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トランプ再選で円高は進むか?

ニューズウィーク日本版 / 2024年7月24日 16時5分

米国では、FRB(米連邦準備理事会)による利下げ転換が近づく中で、金融市場ではトランプ氏が再選するとの期待が高まっている。7月21日にバイデン大統領が選挙からの撤退を表明して、ハリス副大統領が大統領候補となった。大統領選挙の行方は再び分からなくなったが、最終的にはトランプ優勢の状況は変わらないと筆者は予想している。

ドル円の方向性を左右するものは......

こうした中で、トランプ氏の「対ドルでの円安や人民元安がはなはだしい」との発言が影響してか、トランプ氏再選となれば、ドル安円高が進むとの見方が散見される。もっとも、トランプ氏の発言の真意について見方は様々だろう。貿易赤字が政治問題になるとドル安が進むという過去の日本の経験を踏まえて、米政府の通貨政策を重視する向きがある。

 

ただ、ドル安を望むトランプ政権となってドル安が進む可能性は低い、と筆者は考えている。2016年時にトランプ氏が大統領に就任する前に、日本の為替アナリストなどが円高リスクを掲げていたことを思い出さざるを得ない。当時の大統領選挙を前に、トランプサプライズ=円高の見方は妥当ではないと筆者はメディアで考えを示した。そして、実際にトランプ政権発足とともにドル高円安に動いた。

ドル円の方向性は、大統領などの発言ではなく、米日経済・インフレの先行きに対する思惑が大きく左右する。トランプ政権が自国の経済成長を重視、公約どおり関税引き上げを行うのであれば、これはインフレ率を高める方向に作用する。

2025年に米政府が大規模な関税引き上げ政策を行えば、9月会合にも利下げを始めるだろうFRBの利下げは、2025年中に終わる可能性が高まる。こうした中で、為替市場でドル安が起きる可能性は低いため、トランプ再選となれば円高が進むリスクは限定的になると筆者は考えている。

(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません)




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