家計のストレスで「心身を病む」人が急増...最新調査で見えた「やりくり疲れ」のアメリカ社会
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月25日 14時58分
以降物価の上昇は鈍化しており、今年5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.3%の上昇となり、前月からほぼ変わらなかった。
4月に2.8%上昇したガソリン価格は、5月には3.6%下がった。インフレ率は低下し、下落傾向が続いているように見えるが、FRBの政策金利と住宅ローン金利は高止まり。住宅コストは上がり続けている。
最新データによると、5月の住居費は0.4%上昇。住宅所有者や住宅購入希望者を苦しめている。食料品価格も0.1%と小幅に上昇した。
食料品などの生活必需品は高止まりを続け、家計にとって頭痛の種になっている NATEE MEEPIAN/ISTOCK
米経済への信頼感が低下
11月の大統領選挙を前に、経済問題は依然としてアメリカ人の懸念事項の上位を占めている。ギャラップ社の5月の調査によると、回答者の36%が現在のこの国の最重要課題として経済問題を挙げた。17%はアメリカ経済全般の状況を、12%が生活費の高騰を懸念事項と考えている。
5月に発表されたギャラップの別の調査では、今の家計にとって最重要の経済問題はインフレだと答えたアメリカ人の割合は41%で、23年の35%、22年の32%から増加している。
ギャラップの「経済信頼感指数」はアメリカ人の現在の景況感と景気の先行きについての見通しを示すものだが、同社が5月1~23日に調査したデータによると、経済への信頼感は低下している。
46%が5月のアメリカ経済を「悪い」と答え、4月の44%、3月の39%から上昇した。景気が「とても良い」「良い」と答えたのはわずか22%だった。
全米会衆派キリスト教会連合の公認クレジット・カウンセラーを務めるデービッド・アトキンスは、お金に関するストレスを回避するための3つの簡単なルールを挙げている。
1つ目は、支出をきちんと把握し、計画を立てること。出費を全て集計して、カテゴリー別(家賃、交通費、食費、娯楽費、衣服費、債務返済など)に分類した支出計画を立てる。そうすることで、各カテゴリーに必要な金額が正確に分かる。
2つ目は、日常的な出費には現金を使うこと。現金払いには、支出の抑制を促す心理的効果がある。
そして3つ目は、クレジットカードの負債をできるだけ早く返済すること。多くの場合、クレジットカードの金利は他のローンよりずっと高いので、債務残高をゼロにすることでかなりのコスト(と不安の)削減効果がある。
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