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家計のストレスで「心身を病む」人が急増...最新調査で見えた「やりくり疲れ」のアメリカ社会

ニューズウィーク日本版 / 2024年7月25日 14時58分

カード会社や貸金業者への返済に苦しんでいる場合は、毎月の返済額の減額交渉をしたり、返済計画の提示を依頼するのも手だと、マネーエキスパートのハンターは指摘する。

「そのためには、現在の返済額が支払えない理由を示す必要がある。彼らは通常、あなたの総収入、毎月の支出、必要不可欠な生活費を確認して、現実的に払える額がどれぐらいかを判断しようとする。ただし、これをやると信用格付けに影響する可能性があり、将来的に信用枠を獲得しにくくなるかもしれない」

1人で悩みを抱え込まない

高金利の債務を複数抱えている人は、借金を1つにまとめたいと考えるかもしれない。「毎月複数の支払いをする代わりに、1つの大きなローンを組んで全てを返済すれば、月々の支払いが1回で済む。債務整理をすることで(債務の)管理が容易になる」と、ハンターは言う。

「しかし、必ずしも最良の選択とは言えない。新しいクレジットカードの発行手数料、債務残高の移行手数料、年会費など、追加費用がかかる場合もある。クレジット・スコアが低いと高金利のローンしか組めないので、結局は高くつくケースもある。貸金業者を探すときは、契約内容を事前によく確認することが大切だ」

とはいえ家計の整理や見直しをするのは、その過程で破産の恐怖に直面する可能性があるだけに、気が重くなる作業だ。

心理学者で公認ファイナンシャル・セラピストのトレイシー・ウィリアムズは、経済的ストレスに悩んでいる人は自分1人だけではないことを思い出すべきだと助言する。「周囲の人々も詳しい家計の実態をオープンに打ち明けることは少ないので、自分が孤立しているように感じやすい」

だがマーケットウォッチの調査から分かるように、経済的ストレスを感じるのはごく普通の経験だ。

この苦境から抜け出す最も簡単な方法は、問題に正面から向き合い、解決策を見つけ出すこと。

「自分の経済状況にとってプラスになる結果を想像してみよう。それがどんなものか、そこに近づくためにどんなステップが必要なのかを考えることで、変わろうという意欲が湧くはずだ」と、ウィリアムズは言う。

「必要なステップのリストを作り、小さなことから始めよう。1度に1歩ずつ進むことに集中すれば、山を前にしても恐怖心が和らぐ。そして他の人に助けてもらおう。友人や家族に悩みを話すのも、クレジット・カウンセラーやファイナンシャル・カウンセラーに相談するのもいい。自分1人で解決する必要はない」

恐怖、不安、悲しみ、フラストレーションなど、自分の感情を受け入れることも、ストレスに負けて悪癖に陥るのを回避する良い方法だ。

「感情を押し殺すのではなく、ただそれを受け止め、いずれ過ぎ去ることを意識しよう」と、ウィリアムズは言う。「行動を起こすことで、ネガティブな感情にはまり込むのを防ぐことができる。自分でコントロールできることに集中しよう」

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