アメリカ第3の政党、リバタリアン党候補に聞く「麻薬合法化、NATO離脱、ガザはジェノサイド」
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月25日 16時46分
仕事は外食業界で皿洗いから始めて13年間キャリアを積んだ後、物流業界で長いこと国際物流に携わった。その後、人事の仕事も少々かじった。
──以前はバラク・オバマ大統領を支持し民主党員を自認していたはずだが、なぜ離党したのか。
イラク戦争に対する反戦運動をやっていた頃、当時のジョージ・W・ブッシュ大統領は共和党で、私は共和党と民主党以外の政党は知らなかったから、じゃあ自分は民主党だ、と。銃が好きで税は嫌い、自由市場が好きな民主党員だったが。
2008年の大統領選で民主党は反戦を掲げるオバマを候補者に指名。だがオバマは大統領に選出されるとキューバのグアンタナモ米海軍基地の閉鎖や各国指導者との無条件対話、戦争終結といった公約を撤回した。
それで私は民主党を去り、銃や自由市場を支持し、総じて「自分は自分、人は人」という立場なので、リバタリアン党にたどり着いた。
オリバーは麻薬との戦いによりむしろ問題が悪化していると持論を語った SPENCER PLATT/GETTY IMAGES
──対立候補のトランプとバイデンについて何を最も批判するか。
変な話だがどちらについてもほぼ同じだ。
どちらも権限や規模という点で国の役割が拡大するままにしている。政府の役割拡大がさらに加速して私たちの暮らしをコントロールする面が増え、国内でも海外でも官憲や銃弾や爆弾によって暴力を拡大させるのを許してきた。
彼らは同じ1羽の鳥の左右の翼だと思う。2人とも独裁主義者だ。スタイルが違うだけで、政府を拡大させていることに変わりはない。どちらの統治スタイルも国内の党派心をあおり国民の亀裂を深めている。
どちらを選んでも結果は悲惨だ。
──どちらかがましということは?
今回の大統領選では、どちらが選ばれるにしろ、共和・民主両党の最有力候補はミレニアル世代やZ世代とはつながりがない。
私ならある。自分はミレニアル世代だと思っているから。こんなに若い候補者は久しぶりかもしれない。
今こそわれわれ若い世代が立ち上がるべきだ。私たちは大票田。ミレニアル世代・Z世代は間違いなく票の過半数を占めている。
──リバタリアンはアメリカの司法制度に懸念を抱いている。トランプは司法制度の犠牲者だと思うか。
最初に言っておくが、自分が支持する大統領候補が出廷するときだけ司法制度を気にするのはおかしい。常に無数の人々が司法制度の影響を受けているのに。
司法制度の影響を最も受けないのは自分を弁護する術のある人々だ。
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