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具体と抽象を意識するだけ...インプット力とアウトプット力を伸ばす思考法【頭をよくする】

ニューズウィーク日本版 / 2024年8月7日 17時50分

最後に、働いている社会人にも聞いてみよう。「あなたの周りの頭のよい人って、どのような人でしょうか?」という質問をしてみる。「発想が豊かで、他の人が思いつかないアイデアを出してくる人ですかね」「あの人はとても説明が上手で、難しいこともわかりやすくしてくれるんです」「私が頭がよいと思うのは、効率的で無駄がない動きができる人ですね」。

さてここまでいろんな人に「頭のよさ」の定義を聞いてみたわけだが、お気づきの点はあっただろうか? 一見、バラバラである。「頭のよさ」を定義してもらうと、みんなが違うことを言う。だから、頭のよさは測れない、人それぞれと言われがちで、頭をよくするための方法もわからないように感じられる。

しかし、人それぞれに見える頭のよさの定義も、注意深く観察すると、とある明確な傾向があることに気づく。それは、学校ではインプット力が重視され、社会に出るとアウトプット力が重視されていくという傾向である。

学校でも、年次が低いほどインプット力が重視される。小学校や中学校で重視されるのは、「知識量がある」「理解力が高い」「飲み込みが早い」というインプットする能力から見た頭のよさだ。一方で、大人になって社会で求められるのは「発想が豊か」「説明がうまい」「行動が効率的」「判断が的確」といったアウトプットする能力のほうだ。

高校や大学での頭のよさとは「自分の頭で考える」「頭の回転が速い」「論理的」「応用力がある」といった、インプットとアウトプットの中間に位置する能力を指すことが多い。社会で最終的に求められるのは、アウトプットする力である。すごく売上を上げてくるとか、青色LEDを発明してノーベル賞を受賞するといった成果が評価される。学校と社会では、求められる頭のよさの「方向」が違うのだ。

頭の働きは一方通行ではなく往復運動だ

頭の働きに2つの「方向」があることは、見落とされがちだが重要だ。新幹線が便利で世の中に貢献している理由は、もちろん移動速度が速いからである。が、上りと下りの2方向で走っているという前提を見落としてはならない。

東海道新幹線が大阪から東京への一方通行だったら、どんなに速くても非常に使いにくく、役に立たない乗り物になっていただろう。新幹線は、往復できるから価値がある。同じように、頭の働きは2つの方向がセットで価値を生み出していくのだ。

学校で求められるインプット力とは何なのか? 社会で求められるアウトプット力とは何なのか? いきなりだが、結論を言おう。

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