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コロナ後遺症ここまで分かった...「感染時は軽度」が90%以上、倦怠感から心不全まで影響は200以上

ニューズウィーク日本版 / 2024年8月18日 17時15分

コロナ後遺症の症例がデータにまだ反映されておらず、そのため2024年半ば現在の発症率について具体的な数字はまだ出せていないが、コロナ後遺症で診療所を訪れる新規患者の往来は2022年と同様のペースである。

後遺症の発症リスク低下は、主に2つの要因が関係している。ワクチンの普及、そしてウイルスの特性の変化である。これらにより、ウイルスが重度の急性感染を引き起こす可能性が低下したばかりでなく、慢性疾患を引き起こすほど長く、ウイルスが人体の中に残り続ける能力が下がった可能性がある。

しかし、発症リスクが低下しているとはいえ、3.5%というコロナ後遺症の発症率を見過ごすことはできない。新たに感染し、また何度も感染することで、コロナ後遺症の症例は増え続けている。後遺症に悩まされる人々は、すでに驚くほど膨大な数存在しているにもかかわらず、増加の一途を辿っているのだ。

パンデミックの最初の年には、世界で少なくとも6500万人がコロナ後遺症にかかったと推定されている。コロナ後遺症とは何なのか、そして、それが2023年を通して世界経済にどれほど影響を与えたのか、近々、最新の情報を他の主要な科学者たちと共に発表する予定だ。

認知障害、労作後倦怠感、消化器系疾患、代謝障害など200以上

なお、コロナ後遺症に関するあらゆる健康影響については、米学術機関の全米アカデミーズ(全米科学・工学・医学アカデミー)が2024年に入って詳細な報告書を出している。

これは、病気やケガなどで仕事ができなくなった人への支援給付金におけるコロナ後遺症の位置付けを明らかにするために、米社会保障局の委託を受けてまとめられた報告書だ。

この報告書では、コロナ後遺症は複雑な慢性疾患であり、複数の身体機能に200以上の健康影響を引き起こす可能性があると結論付けている。そこでは、次のような症状の発症や悪化が挙げられている。

・心臓病
・認知障害、脳卒中、自律神経障害(血圧、心拍数、体温などの体の重要な機能を調節する神経の障害)などの神経に関する症状
・労作後倦怠感(わずかな活動でも起きる深刻な疲労状態で、数時間、数日、数週間にわたって機能不全を引き起こすことが多いとされる)
・消化器系疾患
・腎臓病
・糖尿病や高脂血症(悪玉コレステロールの増加)などの代謝障害
・免疫機能障害

コロナ後遺症は、子供から高齢者まで、そして人種、民族、基礎疾患など健康状態にかかわらず、多くの人に影響を与える可能性がある。注目すべきは、コロナ後遺症にかかった人の90%以上が、コロナ感染時の症状は軽度であったということだ。

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