カマラ・ハリスが選んだ「中西部のパパ」ウォルズ、「普通」で挑む対トランプ戦略とは?
ニューズウィーク日本版 / 2024年8月20日 15時10分
ジャレド・モンドシャイン(シドニー大学アメリカ研究センター)
<民主党の副大統領候補は「中西部のパパ」、「奇妙な」トランプ陣営との対比を強調する戦略へ>
昔は高校教師でアメフトのコーチ、そして多くのアメリカ人が名前を聞いたこともなかった男。米民主党の大統領候補カマラ・ハリスが副大統領候補に選んだティム・ウォルズは、そんな人物だ。
投票が2カ月半後に迫った米大統領選の主役は、もちろん民主・共和両党の大統領候補であるハリスとドナルド・トランプ前大統領。だが、その中でウォルズは重要な存在感を示しそうだ。
民主党は近年、都市部の高学歴層に支持を広げているが、ウォルズは地方の労働者層にルーツを持つ。ネブラスカ州の小さな町で教師の父と地域活動家の母の下に生まれ、17歳で州兵に入隊。公立大学を卒業後、ネブラスカ州で教師として働いているときに現在の妻グウェンと出会う。
Growing up, I learned to be generous toward my neighbors, compromise without compromising my values, and to work for the common good.@KamalaHarris and I both believe in that common good - in that fundamental promise of America. We're ready to fight for it. And like she says:... pic.twitter.com/5SfrDRqx7C— Tim Walz (@Tim_Walz) August 6, 2024
その後10年、グウェンの故郷ミネソタ州の高校で地理の教員として勤務。アメフトコーチや、生徒による性的少数派の支援組織の顧問も務めた。
政界入りのきっかけは、2004年に生徒を引率し、当時の共和党大統領候補ジョージ・W・ブッシュの集会に参加しようとしたとき。生徒の1人がブッシュの対立候補で民主党のジョン・ケリーのステッカーを持っていたため、入場を断られた。怒ったウォルズは翌日、ケリー陣営のボランティアに登録した。
こうして06年には、ミネソタ州南部の選挙区から連邦下院選に出馬して当選。共和党の地盤だった選挙区で、その後6選を果たす。18年にはミネソタ州知事選に勝利し、22年に再選された。
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