カマラ・ハリスが選んだ「中西部のパパ」ウォルズ、「普通」で挑む対トランプ戦略とは?
ニューズウィーク日本版 / 2024年8月20日 15時10分
結婚記念日は6月4日
下院選に初出馬したときは中道派の民主党員というイメージを打ち出し、全米ライフル協会からの支持もアピール。党の方針に逆らって、主に中国の脅威への懸念から国防費削減に反対したこともある。
ウォルズは中国で英語を1年間教え、新婚旅行先にも中国を選んだ。夫妻で学生向けの中国ツアーを運営する会社を設立したこともある。
この経歴から下院議員時代には、中国の人権と法治を監視する委員会の委員に就任。香港の民主化運動活動家を支持し、ダライ・ラマ14世をはじめチベット亡命政府の指導層ともたびたび会見している。
結婚したのは1994年6月4日。天安門事件の記念日だ。「忘れない日を彼が選んだ」と、グウェンは言う。
率直な物言い、「中西部のパパ」を思わせるキャラクター、七面鳥の捕らえ方からピックアップトラックの修理法まで何でも知っていそうな元州兵──そんなウォルズが中西部の幅広い有権者から共感を集めることを、ハリス陣営は期待する。当選すれば初の女性、初の黒人女性、初のアジア系の大統領となるハリスとは正反対。彼はどこから見ても、昔ながらの政治家だ。
ハリス陣営はトランプと副大統領候補のJ・D・バンスに言及する際に「weird」(ウィアード、「変な、奇妙な」の意)という言葉を多用し、「普通」であるウォルズとの対比を狙っている。ウォルズの副大統領候補起用を発表したX(旧ツイッター)のポストで、ハリスはウォルズに対して「あなたはこの国を理解している」と語っている。
When I called @Tim_Walz this morning to ask him to join our campaign, I shared my deep level of respect for him and the work we've done together. We're going to unify this country and we're going to win.Let's go get this done. pic.twitter.com/EcqZ497lyk— Kamala Harris (@KamalaHarris) August 6, 2024
ウォルズのアメリカへの理解が勝利をもたらすのか。答えは11月に出る。
Jared Mondschein, Director of Research, US Studies Centre, University of Sydney
This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.
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