中国軍を睨む西太平洋に米空母不在 地域の守りが手薄に?
ニューズウィーク日本版 / 2024年8月27日 18時36分
大西洋を航海する3隻の米空母(前列左からUSSドワイト・アイゼンハワー、USSハリー・トルーマン、USSジェラルド・フォード(8月24日) U.S. Navy/Mass Communication Specialist 2nd Class Matthew Nass
ライアン・チャン
<イスラエルとイランの緊張が高まり、アメリカは不測の事態に備えて米空母2隻を中東に配備。そのせいで、本来西太平洋で中国の空母と対峙しているべき米空母が今は不在になっている>
緊張が高まる中東で、アメリカはイランやその代理勢力がイスラエルを攻撃するのを抑止するため、米海軍は2つの空母打撃群を中東に展開している。米海軍は太平洋地域に6隻の空母を配置しているが、今週は中国を睨む西太平洋に米海軍の空母が1隻もいない状態となった。
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一方で中国は、保有する3隻の空母のうち1隻が南シナ海に展開。NATO加盟国のイタリアは2隻の空母で構成する空母打撃群を日本に派遣した。
空母は各国が自国の利益や外交政策を支援するために、各地域でその海軍力を誇示するための主要なプラットフォームだ。世界で最も多くの空母を保有しているのがアメリカ(現在11隻を運用中)で、2番目が中国だ。
戦略的に重要なインド太平洋地域における米中の空母が現在どこに展開されているか、本誌の最新データを以下にまとめた。8月23日の時点で、少なくとも8隻の空母の位置がオープンソースの衛星写真を通じて公開されていた。
米海軍
原子力空母カール・ビンソン(米カリフォルニア州サンディエゴ)
米海軍が8月22日に公開した写真によれば、米原子力空母カール・ビンソンはサンディエゴのノースアイランド海軍航空基地に停泊している。
カール・ビンソンは6月下旬〜8月上旬にかけてハワイ周辺海域で行われた環太平洋合同演習(RIMPAC=リムパック)に参加した後、カリフォルニアの母港に帰還した。
原子力空母ジョージ・ワシントン(太平洋東部)
ジョージ・ワシントンは米海軍によって8月1日から正式に日本に前方配備される空母に指定された。同艦にとって日本への配備は2度目になる。
秋には横須賀海軍基地に配備される予定で、米海軍は7月末にノースアイランド海軍航空基地で原子力空母「ロナルド・レーガン」と「ジョージ・ワシントン」の艦交代を実施。ジョージ・ワシントンは22日に同基地を出港したことが確認されている。
原子力空母ニミッツとロナルド・レーガン(米ワシントン州ブレマートン)
20日時点で入手可能な衛星写真によれば、原子力空母「ニミッツ」もロナルド・レーガンも米ワシントン州ブレマートンにあるキットサップ海軍基地のピュージェット・サウンド海軍造船所に停泊している。ロナルド・レーガンは9年間にわたって日本に前方配備されてきたがその任務を終え、現在はメンテナンス中だ。
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