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中国軍を睨む西太平洋に米空母不在 地域の守りが手薄に?

ニューズウィーク日本版 / 2024年8月27日 18時36分

ノースアイランドを母港とする原子力空母「セオドア・ルーズベルト」と「エイブラハム・リンカーン」は現在、中東に配備されている。米中央軍は21日にエイブラハム・リンカーンが中東に到着したと発表しており、セオドア・ルーズベルトについては22日時点でオマーン湾を航行中であることが衛星写真で確認されている。

両空母は米西海岸から太平洋に配備される予定だったが、イスラエル・イラン間の緊張の高まりを受けて米国防総省が中東への派遣を決めた。

これにより中国のハードパワーが高まりつつある西太平洋にすぐに展開可能な空母がなくなった。米国防総省は同地域の守りが手薄になったことについて懸念する声を一蹴しているが、アナリストらは、米海軍は空母に代わる手段を見つけるのに苦慮するだろうと指摘している。

中国人民解放軍海軍

空母「遼寧」(山東省青島市)

旧ソ連製の艦船を購入・改修した中国初の空母「遼寧」は、8月18日時点で青島の母港に停泊している様子が衛星写真で確認されている。

空母「山東」:南シナ海

21日時点の衛星写真によれば、中国海軍の2隻目の空母「山東」は、海南省南部に位置する母港・三亜の南方を航行中だ。

日本の統合幕僚監部によれば「山東」を含む計4隻の中国軍艦船はフィリピン海(沖縄県宮古島の南方海域)で活動し、翌日には南シナ海に向けて航行していった。

空母「福建」:上海

22日時点の衛星写真によれば、中国海軍の3隻目となる最新型の空母「福建」は、同空母が建造された上海の江南造船所にとどまっている。「福建」は最近、中国北東部の黄海と渤海で約1カ月に及ぶ試験航海を終えたところだ。

イタリア海軍

空母カブール(日本・横須賀)

NATO加盟国であるイタリア海軍の空母「カブール」は、22日に神奈川県の海上自衛隊横須賀基地に到着。初めて日本に寄港した。カブールと一緒に横須賀に入港したフリゲート艦「アルピーノ」は、27日まで同港に滞在する予定だ。日本の海上自衛隊と少なくとも1回、対潜水艦訓練をはじめとする共同訓練を行う。

カブールは西太平洋に展開中、フィリピン海で4日間にわたって米海軍のアーレイ・バーク級駆逐艦「デューイ」との二国間演習を実施。固定翼機による防空訓練や対潜水艦訓練を行った。

カブールとアルピーノは8月はじめにイタリア海軍の艦船として初めて米領グアムに寄港し、短期間滞在していた。





【画像】エイブラハム・リンカーンとセオドア・ルーズベルトは今どこに? 
Carrier Strike Group 3 & Carrier Strike Group 9USS Abraham Lincoln (CVN-72) & USS Theodore Roosevelt (CVN-71) spotted on @planet operating in the Gulf of Oman ~260km apartOf course the IDs could be switched but fairly confident that @TheRealCVN71 is operating closer in pic.twitter.com/HFhW95btYd— MT Anderson (@MT_Anderson) August 26, 2024

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