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ゴズリングにアギレラ、スピアーズまで...子役時代の同期たちは大スターに、私は「イチゴも買えないのが辛かった」

ニューズウィーク日本版 / 2024年8月30日 15時35分

番組終了後、デローチは他の出演者たちとは違う道を歩んだ。97年にガールズグループ「イノセンス」のメンバーとなったのだ。マネジャーは、人気ボーイズグループのバックストリート・ボーイズやイン・シンクの仕掛け人であるルー・パールマンだった。

だがイノセンスがアルバムを出す前に、パールマンは逮捕された。

「まさにブレイク直前で、そのために私たちはものすごく頑張っていた。でも捜査が始まって、(パールマンが)逮捕されて彼の関わっていた悪事が全て白日の下にさらされた」と、デローチは言う。

「レーベルはルーが関係する全グループの活動を停止させた。イノセンスも含めて」

パールマンは2008年に資金洗浄や共同謀議などの罪で禁錮25年の実刑判決を受け、服役中の16年に死亡した。

イノセンスの仲間たちと(00年)。スターへの道はマネジャー逮捕で閉ざされた RAYMOND BOYD/GETTY IMAGES

デローチは音楽業界との別れを「創造的な傷」と表現する。スピアーズやティンバーレイク、アギレラが世界的ポップスターになり、ゴズリングが大手映画会社の作品に出演するようになるのをよそに、デローチの音楽業界でのキャリアは不発に終わり、コミュニティーカレッジに通う日々だった。

「人生経験をたっぷり積んだのは確か。音楽ビジネスをやっていくなかで、たくさんの教訓を学んだ。信頼している相手でも、(おかしなことをしていないか)よく気を付けなければならない、とかね」とデローチは語った。

デローチはこうも述べた。「当時を振り返ると──私には、ジャスティンやクリスティーナやブリトニー、ライアンたちのようなキャリアは積めなかったわけで。みんなは絶好調で仕事をしているのに、自分はコミュニティーカレッジにいて、(お金がなくて)イチゴも買えないというのは本当につらかった」

家族の病気も「転機」に

デローチはエンターテインメント業界に深い愛情を持っている半面、この業界で働くとはどういうことかも身に染みて分かっている。

「すごく不公平な業界よ」と、デローチは言う。「カオスだし、過酷でさもしい業界なの。この業界では被害者になってはならないという、本当にいい教訓を学んだと思う」

デローチは今では、自分のキャリアに誇りを持っている。これまでにホールマーク・チャンネル系のテレビ局で18本を超えるテレビ映画に主演し、今後も出演作が目白押しだ。

ロサンゼルス小児病院や、認知症患者家族の支援団体であるアルツハイマー病協会で理事や広報担当を務めるなど、自分が大切だと思う活動を行う組織や団体を積極的に支えてもいる。

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