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人気の小泉か経験の石破か──自民党「生まれ変わり」への本気度を問う

ニューズウィーク日本版 / 2024年9月6日 16時15分

一方、原発政策をめぐっては、脱原発を持論としてきた河野が「リプレース(建て替え)も選択肢だ」とし、原発容認の姿勢に転じたことを明確にした。

データセンターの整備や生成AI(人工知能)に使う電力需要が増えたことを理由としていたが、脱原発のままでは党内の反発が強く、所属する麻生派を含む党内の支持を幅広く得るため、持論を転換したのではないか。河野の「変節」とみて厳しく批判する声もある。

小泉も先の番組で、河野と同様の理由で原発再稼働の必要性に言及している。「原発ゼロ」を主張する父の元首相・純一郎とは別の道を歩むのか。石破のみ鳥取で記者団に「原発ゼロ」に向け最大限努力する考えを示していた。

なぜ、河野も小泉も原発容認に転じたか。小泉は前回のエネルギー基本計画策定に環境相として関わり、デジタル社会で必要となる膨大な電力の重要性に気付いたようだ。

河野も同様だ。原発推進の経済産業省や電力会社など「原子力ムラ」に丸め込まれたのか。いや「本心は別、持論を封印しただけ」との声もある。

言うは易く、行うは難し。「自民党は変わる」と言われても、今の党の体質がそう簡単に変わるとは思えない。政治資金はいかに透明性を確保するかだ。総裁選で誰が選出されるにせよ、新総裁が語る言葉が実行されて初めて、「自民党は変わった」と言えるのかもしれない。

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