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メールで相手を説得するには「三手詰め」で書けばいい【新聞記者のベストセラー文章術】

ニューズウィーク日本版 / 2024年9月24日 17時55分

相手の心に届く依頼メールを書くコツはたったの3つだけ/pixabay

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
<職業問わず、文章がうまい人は出世する。ベストセラーに学ぶ、文章でのコミュニケーションが欠かせない時代のメール術>

ビジネスは「依頼し」「依頼される」人間関係で成り立っている。人に依頼するのがうまい人とは、仕事が絶えない人、つまり出世する人である。そして、多くのケースで依頼にメールが使われる今日、人を説得する文章を書けることが成功の鍵となる。

朝日新聞名文記者として知られる近藤康太郎氏は10刷のベストセラー文章読本『三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾』(CCCメディアハウス)(CCCメディアハウス)で、人を説得する文章技術を説いている。取材することが難しい対象をも口説き落としてきたメールの書き方を紹介する。

◇ ◇ ◇

書ける人は出世する:文章を書くことは高度な知的活動

文章を書くというのは、きわめて高度な知的活動です。それは、たとえば外国語の学習を考えれば分かります。外国語の本を、辞書を引かずにストレスなく読み進むには、まず、単語一万語を覚えていることが必要でしょう。

しかし、辞書なくして本を読み進めることができるようになっても、書くことはできない。片言で、なんとか自分の意思を表すことはできますが、ネイティブが読んで違和感のない自然な英語は、書けない。

日本人が自然な日本語を書くのも、だから、苦労してあたりまえなんです。そのうえ「うまい」といわれる日本語を書くことは、至難の業だ。そしてとびきり難しいからこそ、書ける人は有利です。いやな言葉ですが、出世します。

文章操縦力が高いとしあわせになれる

どの世界でもトップにいる人は、きわめて文章操縦力の高い人です。ビジネスだけでなく、アーティストも、じつは、アスリートや格闘家でもそうなのです。トップ中のトップは、間違い
なく、文章家です。例外は政治家だけです。

まとまった分量の文章を書くのは、いまではメールがいちばん多いでしょう。そういう意味では、うまいメールを書ける人こそ、出世する人です。仕事を任せられる人です。

人は、人生のほとんどの時間を、仕事をして過ごしています。仕事が楽しい人は、すなわち、人生が楽しい人です。せいぜい、上手なメールを書かなければいけません。

落とすラブレターの名手は編集者

さて、上手なメール(=手紙)を書く人とは、だれでしょうか。まず、編集者をおいてほかにありません。

編集者とは、作家、ライター、記者と一緒に、書籍や雑誌、新聞を作る人です。作家やライターをピッチャーだとすると、編集者はキャッチャーです。そして、ピッチャーを生かすも殺すも、キャッチャー次第です。

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