トランプ対ハリスのテレビ討論は事実上、引き分け
ニューズウィーク日本版 / 2024年9月12日 13時30分
今後も続く両者の拮抗
今回の討論で、こうした具体的な論点について全てトランプ候補は「はぐらかし」を徹底していました。そこにあるのは穏健保守をつなぎ留めるという、票読み上の作戦だったのだと思います。
そんなわけで、全く別のゲームを戦ったハリス氏とトランプ氏は、それぞれに初期の目的は達したと考えていいでしょう。その意味で言えば、今回の討論は事実上、引き分けだったと見ておくのがいいと思います。
その結果として、ここからは推測ですが、今後も現在のような情勢が続くと思います。全国世論調査では両者が拮抗し、特に決戦州と言われるペンシルベニア、ジョージア、ネバダなどでは誤差の範囲内の横並びが続くという形で、選挙戦の終盤に進む可能性が強いということです。
仮にこの情勢が一気に変わるとしたら、環境の変化が転機になるという場合です。例えば、ウクライナ情勢や中東情勢など、軍事外交面で大きな変化があるか、利下げを待てずに株式市場が暴落する、そのような大きな変化があれば、ダイレクトに選挙戦に影響するでしょう。その場合は、ハリス氏の場合は新人とはいえ、現職の副大統領ですから現政権の「結果」については功罪ともに100%責任を問われることになるでしょう。
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