省エネ、働く意欲の向上、位置情報把握...最先端の「照明」でこんなことまで出来る
ニューズウィーク日本版 / 2024年9月20日 17時15分
奈良県庁のパイロットオフィスなど多くの自治体や企業で導入が進んでおり、実際に「気軽に上長と話しやすい雰囲気になり、風通しが良くなった」「手元が明るく照らされ、集中しやすい空間になった」などと、空間演出のほうも評判は上々なようだ。
手元のタブレットを使い、用途や空間に合わせた最適な光による空間演出や省エネを簡単に行える「リベコム」。ビーコン信号を利用した屋内位置情報サービスが利用でき、活用法は大きく広がる Photo: Panasonic Electric Works
タブレットで自由自在に空間を演出できる「リベコム」
もう一つの照明ソリューションである「リベコム」は、設定操作アプリを搭載したタブレットとシーン選択リモコンを使い、用途や空間に合わせた最適な光による空間演出や省エネを簡単に行えるという新無線照明制御システムだ。
天井に設置した照明器具から発信されるビーコン信号を利用した、さまざまな屋内位置情報サービスの利用が可能となるのもリベコムの大きな特徴である。
パナソニックEW社では、1台ずつの制御が可能な照明器具やセンサー、スケジューラーなど、幅広い施設で活用できる約4000品番のリベコム対応製品を11月1日に一斉発売する予定だ。
「これらを用途や空間に応じて組み合わせることで、商空間なら季節に応じた演出や、フロアや区画ごとに購買意欲を高めるような演出も可能になります。また、オフィスなら昼間は外光を利用して節電を行い、夕方にかけては快適性を維持しながら省エネ状態を維持するなど、自由自在な空間演出を簡単に実現することができます」と、山中氏は言う。
節電量が数値化される専用タブレットで、集中モードやリラックスモードといった複数の照明シーンを、省エネ状態を見ながら設定できる。いわばメリハリ照明の進化系だが、映像機器やスピーカー、空気清浄機といった同社製品との接続も可能で、トータルに快適な空間を演出できることも魅力だ。
店舗でのプッシュ配信、工場での作業効率向上も「照明」で
では、ビーコン信号を利用した屋内位置情報サービスとは何か。
リベコムでは2.4GHzの周波数を使って照明のオン・オフや調光を行うが、同じ周波数のビーコン信号にユニークなIDを付与して照明から発信し、それを各照明の下にいる人のスマートフォンが受信することで位置情報の把握ができる。
「従来の屋内位置情報サービスでは、電池タイプのビーコン発信器を棚や机などに設置する必要があり、障害物による電波の遮断や電池交換の手間などが課題になっていました。対してリベコムなら、天井からの信号発信なので電波が遮断される心配がないうえ、電池交換も不要となります」と、パナソニックEW社総合企画室照明立地活用プロジェクトの田上直紀氏は説明する。
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