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TikTokのフィットネス動画が女性の健康を害している...「フィットスピレーション」とは何か【最新研究】

ニューズウィーク日本版 / 2024年9月29日 10時30分

dualipa/Instagram

ハッティ・ウィルモス for WOMAN
<6割の動画がダイエット、健康、そして運動に関して誤っている、もしくは有害な情報を含んでいることが判明>

いわゆる「フィットスピレーション(Fitspiration)」動画が有害な身体イメージを強化し、健康に関する誤った情報を広めており、さらに女性が過剰に性的な対象になっていることをオーストラリアの研究者らが明らかにした。

本研究における「フィットスピレーション・コンテンツ」とは、「食事や運動を通じてアクティブかつ健康的なライフスタイルを送れるように、インスピレーションを与えることを目的とした画像や動画」と定義される。

■【関連動画】「フィットスピレーション」の是非をめぐる激論 を見る

 

その上で、視聴者の多くが10代であるTikTokが自分の体型への不満、過度なダイエット、そして摂食障害の美化につながっていることをオーストラリアのフリンダース大学の研究者が発表した。本研究の筆頭著者のサマンサ・プライド氏は次のように述べる。

「TikTokのフィットスピレーション動画はたいてい理想化された体型を奨励しており、特に若い女性にとってはマイナスの身体イメージを引き起こさせる懸念があります」

フリンダース大学の研究者らは、フィットネス(#fitness)、フィットスポ(#fitspo)、ジムトック(#gymtok)、フィットトック(#fittok)といった人気のハッシュタグを使用している200本のTikTokのフィットスピレーション動画を分析。

その大部分がフィットネスに関する資格を有していないインフルエンサーによって投稿されており、6割の動画がダイエットや健康、そして運動に関して誤っている、もしくは有害な情報を含んでいることが判明した。

インフルエンサーの人気の高さばかりが注目され、情報の正確性や安全性が二の次になっていることは憂慮すべき点であると共同執筆者で社会学者のエヴァ・ケンプス教授は述べる。

また、インフルエンサーと広告に関するさらなる研究と、その規制強化の必要性があるとして、共同執筆者で心理学者のイヴァンカ・プリチャード准教授は次のように述べる。

「フィットネス系インフルエンサーがエビデンスに基づいた情報を共有し、健康的で現実的な身体イメージや運動を広められるように、公衆衛生に関する機関と連携を強化する必要があります」

また、今回分析されたコンテンツの半数以上(55.7%)が女性を性的な対象にしており、20%はボディシェイミング(Body Shaming/体型批判)、8.6%は摂食障害行動を助長していることが判明した。筆頭著者のサマンサ・プライド氏は「ネガティブなメッセージを発している」と指摘する。

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