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真逆な2人が競う米大統領選終盤戦を占う

ニューズウィーク日本版 / 2024年10月3日 11時24分

だがカナダのブリティッシュ・コロンビア大学のポール・クワーク教授(アメリカ政治学)に言わせると、ハリス陣営は今回の選挙戦を「透明性の高い正攻法」で戦っている。

「大統領候補が激戦州で集会を開き、大勢の熱心な聴衆を集め、主流の全国メディアで好意的に報道される。これほど有効な時間の使い方はない」と、彼は言う。「CNNやABCのように中立的な大手メディアの取材に応じれば、全国の視聴者にメッセージを送れるが、厳しい質問もぶつけられる。一方、党派的なメディアで質問者も友好的だと、そのメッセージは既存の支持者にしか届かない」

その点でトランプ陣営のやり方は「特異」で、激戦州で次々に大規模集会を開くという戦術は捨てたように見えるとクワークは言う。

クワークによれば、理由はいくつか考えられる。まず、トランプの集会参加者には明らかに疲れが見えること。ハリス寄りのメディアは、トランプの集会で空席が目立ち、演説の最中にも聴衆が少しずつ退席している様子を映し出してトランプを笑いものにしている。

金の問題もある。トランプの抱える訴訟の弁護費用に選挙資金や党の資金が使われているせいもあり、集会の規模や開催頻度、開催場所が制約を受けている可能性も否定できない。

疲れ気味に見えるトランプ

最後に、トランプ自身も疲れ気味のようであること。かなりの時間をゴルフに割いていて、時には無気力にも見える。立ち直る可能性はあるし、依然として勝負は互角だ。しかし現時点では、トランプがまともな選挙戦を続けられるかは不明だ。

英ポーツマス大学でアメリカ政治を教えるダビズ・タウンリーも、「トランプは一連のインタビューで自身のカリスマ性をアピールしたいのだろう」とみる。「友好的な記者との一対一のインタビューなら、自分の主張や言い分に反論される恐れも少ない」

独立系のFCBラジオネットワークのダービオ・モローCEOは、勝負は投票日までもつれると予想する。

「テレビ討論会でのハリスはトランプよりずっとしっかりしていたが、話の内容は乏しかった。トランプは戦意を見せたが防戦一方で、集中力を欠いていた。どちらも支持者を喜ばせたが、未来への明確なビジョンは示せなかった」と、モローは言う。

「ハリスは政治姿勢の変化についての追及を巧みに逃れたが、中身のない発言が目立った。トランプは自分の弁護に忙しく、ハリスの過去を追及することも、自分の主張を打ち出すこともできなかった。どちらも相手をノックアウトはできなかった。きっと最後まで息をのむ展開が続くだろう」

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