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新NISAで人気「オルカン」の、実は高いリスク。投資初心者こそ「債券」を買うべき理由

ニューズウィーク日本版 / 2024年10月4日 17時30分

■初心者におすすめは世界債券

債券には国債、社債、地方債などさまざまな種類があり、種類によって特性が異なります。例えば、日本国債は比較的安全な投資先とされており、低リスクで低リターンです。それに対して社債や地方債は、国債に比べるとリスクが高くなりますが、利子収益のリターンも高くなります。

例えば、全世界株式型に投資している初心者の方なら、それと同額を世界債券に投資するのもいいかもしれません。世界株式と世界債券を1:1で保有するのです。それぞれの投資信託を同額ずつ積み立ててもいいですし、世界株式と世界債券が組み入れられているインデックスファンドもあります。

株式市場が低迷している時期は、債券が値上がりすることがあります。また、債券から得られる利子収入は、そうした厳しい時期を支えてくれる貴重なインカムゲインです。株式のリスクを軽減しつつ、心の拠り所にもなる──債券は、長期投資を行う投資家にとって心強い味方なのです。

ちなみに、日本国債は低リスク低リターンですが、銀行の定期預金よりも低リスクにもかかわらず、利子(リターン)が高いことが多いです。銀行によっては、日本国債よりもリターンの大きい条件での定期預金キャンペーンをやっていることがありますが、それはまさに「お宝定期預金」といえるでしょう。

定期預金との比較で言えば、銀行に預ける代わりに3年国債を買う、という資産管理法もあります。

いい塩梅を見つけよう

多くの人が投資家デビューする際の一助になっている「オルカン」は、すばらしい金融商品です。株式市場が急落しても心理的負担を感じずに、コツコツと積み立てを続けられるなら、オルカン一択でもよいかもしれません。

でも、これから長い投資人生を送るなら、債券のメリットを知っておくことは、より有効な手立てとなるはずです。ぜひ債券の特性を理解したうえで、自身の性格や投資スタイルに合った、リスクとリターンの塩梅を見つけてください。

[執筆者]
榊原佳子(さかきばら・よしこ)
ライター、個人投資家。名古屋大学大学院修了後、大手出版社とIT企業で編集者として勤務したのち、フリーランスに。社会人1年目から株式投資を始め、投資歴は10年以上。株を通して経済や国際などの時事・歴史に関心が広がり、さらに株の世界にのめり込む。

※当記事は「かぶまど」の提供記事です





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