オーストリア総選挙で「ナチス礼賛」の自由党が第1党、背景にコロナ禍で政府の規制より「個人の自由」を擁護
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月10日 17時24分
同国の保守系日刊紙プレッセは、移民問題に関する国民党の政策は「自由党とほぼ区別がつかない」とし、「そうした政策の支持者は皆、以前から自由党に投票している」と指摘した。国民党が今回失った得票率の11ポイントは、大部分が自由党に流れた。
パンデミックが自由党の再浮上に重要な役割を果たしたとの指摘もある。オーストリアが21年後半にワクチン接種を義務化すると、キクルは「今日からオーストリアは独裁国家だ」とぶち上げた。自由党の支持率は30%前後に上昇し、同党はスキャンダルによる低迷から脱した。
スイス紙ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥングは、オーストリアの抑圧的なコロナ政策について「その施策の多くがワクチン接種者と未接種者を区別した。そのため国に差別されていると感じた人々の間に深い憤りが生じた。その感情は、厳しい制限の記憶よりもはるかに長く人々の心に残っている」と論じた。
2000年と同様、自由党はいま再びヨーロッパの極右の主唱者の仲間入りをし、かつて信頼を失った極右政党が政治文化全体を覆し、傷つけることが可能であることを証明した。この教えは、中欧の他の親ロシア派のポピュリストに刻まれるだろう。
From Foreign Policy Magazine
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