日本とジョージアの「アポ」は何が違うのか?...予期せぬ素敵な巡り合わせを楽しむ方法
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月18日 14時50分
ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)
<日本では数カ月先の予定を立てることは普通だが、海外ではそうはいかないことも...。「時間は生き物」とジョージア大使が考える理由について>
仕事での面会や友人との食事などで、アポ(イントメント)を取ることは普通だ。しかし、それは「場所」に依存するのではないかと考えさせられることがあった。
ジョージアで夏休みを取った今年、日頃からお世話になっている日本人コンサルタントのHさんから「ジョージアを訪問するので、ぜひ会いましょう」という連絡が来た。もちろん大歓迎だった。
母国ジョージアで日本人の知り合いと会えることは貴重な体験であるため、そういったタイミングには現地で会うことを心がけている。
Hさんは早い時期からジョージアで会うための日程調整の連絡をくれた。しかし、私はすぐには明確な返事ができなかったため、「到着してから調整しましょう」と返信した。何しろ、ジョージアでの動きはコントロールが難しい。いつどんなことが起きるかが本当に分からないからだ。
しばらくするとHさんから「到着しました。今のところ〇日、〇日、〇日の夜が空いています」と律儀なLINEが来た。ところが連絡をもらえてうれしかったにもかかわらず、負担に感じてしまった。
会うことがおっくうとか、私が休暇中であるからといった理由ではない。自分でも不思議なことに、前もって日程を決めることに対して、どうも積極的にはなれなかったのだ。
これはアポの場所が日本ではなかったことに関係しているのではないかと思っている。日本にいると、数カ月先の予定を立ててアポを取ることは普通であり、しかもそれが便利だ。
しかし、ジョージアではそうではない。風土や気質のせいなのか、ジョージアではスケジュールはあってないようなものだ。ジョージアではアポを取ることが非常に難しく、予定どおりにならないという話は日本人からよく聞く。
そういった日本人の事情や気持ちをよく知る私は、Hさんと会う予定が立てられないままに時間ばかりが過ぎていくことに後ろめたい気持ちになりながら、「分かりました。予定が分かったら連絡します」とLINEで返信したのだった。
そんななか、在日ジョージア大使館での任期を終えてジョージアに帰国したばかりのガベチャワ元参事官(以下、ウチャ)から、「今、ジョージアに帰国しているらしいけど、よかったら家に遊びに来ないか」と、いかにもジョージア人らしい向こう数日といった、ざっくりとした連絡があった。
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