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最新「殺人ミステリー」で主演...あの「政治好き」俳優が米大統領選とAI規制について「いま言いたいこと」

ニューズウィーク日本版 / 2024年10月24日 14時34分

自然にすっと役に入れた

自らも闇を抱える探偵という役になり切るのは難しくなかった。「正直言って、全体としては簡単なほうだった。難しい役もある一方で、なぜか自然に演じられるような役もある。今回は後者のほうだった」と、彼は言う。「この役は、台本からすっとイメージが浮かんだ」

クレタ島での撮影では、現地の言葉を学ぶという興味深い体験もできた。「ほんの少しだけれど、ギリシャ語の勉強もしたんだ。実際にギリシャにいたから、それほど大変なことではなかった」と、ゴードン・レビットは言う。

「衣装係でも照明スタッフでも誰でもいいから、隣にいる人のほうを向いて聞けばいい。『もう1回言ってもらえる? 自分の言い方が正しいか確認したいんだ』ってね」

「もちろん、そのほとんどはもう思い出せない。僕は短時間であればすごく物覚えがいいという、俳優としては役に立つけれど、それ以外の生活ではおよそ役に立たない特技の持ち主なんだ。撮影中は覚えていられるのに、終わるとどこかに消えてしまう」

作中に繰り返し出てくるのが、ギリシャ神話のイカロス(ろうで作った翼で空を飛んだが、太陽に近づきすぎて命を落とす少年)の話だ。ギリシャの神々を引き合いに支配階級を批判するせりふもある。

また本作の「自由」というテーマは、米大統領選挙に向けた民主党の政策綱領と相通じるものがある(歌手のビヨンセは民主党大統領候補のカマラ・ハリス副大統領に、自分の持ち歌「フリーダム」を選挙運動で使うことを認めた)。

つまり、この映画にはアメリカの政治状況が密接に反映されているわけだ。

@kamalaharris Beyoncé's "Freedom" is my walk-on song for my rallies--and her mother, Tina, is so very special to me. ♬ original sound - Kamala Harris

「できるだけ」政治的に

ゴードン・レビットは「政治好き」で有名だ。米紙ニューヨーク・タイムズは9月、ハリスと共和党大統領候補のドナルド・トランプ前大統領の初の討論会の後、その内容をまとめた動画を発表。

ニュースを歌にした社会風刺動画「ソンギファイ・ザ・ニュース」で知られる音楽グループ、グレゴリー・ブラザーズが制作を担当し、ゴードン・レビットが司会役として出演した。歌と社会的メッセージが盛りだくさんの作品だ。

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