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「謹んで故人の冥福を祈ります」 SMなど音楽事務所への葬儀花輪テロは韓国K-POPファンの変質の象徴?

ニューズウィーク日本版 / 2024年10月31日 14時10分

このメッセージを読んだRIIZEファンは、続々と業者に謹弔花輪を発注。その日は深夜までSMエンターテインメント本社前に花輪の配達が続き、数百個にまで増えたという。

もちろんファンたちのアクションは謹弔花輪だけではなかった。グッズやアルバム、さらにはライズが出演する広告製品などの購入を取り消す不買運動を展開するとSMエンターテインメントにプレッシャーをかけたのだ。結局、SMエンターテインメントは13日夜11時45分、スンハンの復帰を撤回。ファンたちの前にひれ伏した形となった。

謹弔花輪はHYBEでも

芸能音楽事務所にファンが謹弔花輪を贈るのはこのRIIZEの件が初めてではない。一番話題となったのはHYBEとNewJeansの生みの親と言われるADOR前代表ミン・ヒジンの対立に関連した謹弔花輪デモだろう。

4月下旬にHYBE側が「ミン·ヒジンが経営権奪取を試みた」と監査結果の報告を発表すると、ミン前代表の辞任を要求する謹弔花輪が配達された。その後ミン・ヒジンがNewJeansのプロモーションに関してBTSなどHYBE所属アーティストたちに言及した事実が明かされると、各グループのファンによるミン・ヒジンに向けた謹弔花輪デモが行われた。一方ではNewJeansのファンも、HYBEとパン・シヒョクHYBE議長に向けた怒りの謹弔花輪を送りつけ、HYBE本社前は謹弔花輪戦争という状況が続いた。

またHYBEについては、BTSファンによる謹弔花輪デモも行われた。5月、BTSへの悪質なデマに対する対応が不十分だとするBTSのファンは、所属事務所であるHYBEに謹弔花輪を送った。さらに8月にはBTSメンバーのシュガが自宅近くで酒を飲んで電動スクーターを飲酒運転したことが発覚し、最終的に罰金刑を言い渡されたが、この事件を巡っても一部のファンがシュガの脱退を求めて謹弔花輪デモを行った。彼らの送りつけた花輪には「飲酒運転者ミン・ユンギ(シュガの本名)脱退しろ」、「ミン・ユンギ自主脱退」、「フォトライン立つ前に脱退しろ」、「私たちの手を放したのはあなただ」などの批判メッセージが添えられていた。

謹弔花輪デモは違法?

日本では考えられない韓国K-POPファンの謹弔花輪デモだが、実はK-POPファンだけがやっているわけではない。保守と革新の対立が激しい韓国では政治の分野でも謹弔花輪が使われることがあり、昨年、最大野党の共に民主党のイ・ジェミョン代表に対する拘束令状を棄却したソウル中央地裁の判事に対して、保守系団体が最高裁の前に数百個の謹弔花輪を立てたのが代表的な事例だという。

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