自民大敗、でも石破続投......なら、次の政局はいつ、どんな形で訪れるのか?
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月29日 10時31分
その後、来年3月の本予算成立前後、または6月予定の通常国会閉会前のタイミングで政局がくる可能性がある。与党が過半数割れを起こしている以上、石破首相に対する内閣不信任案が提出されて可決されるリスクは常に想定しなければならない。7月の参議院選挙を前に、自民党内から造反票が出ないとも限らない。総裁選決選投票で次点に泣いた高市早苗前経済安保相は今回の選挙応援でも存在感を見せつけた。石破首相にとっては綱渡りの政権運営になる。
政党法なき政党は、会社法なき会社と同じ
しかし今必要なことは、たとえ迂遠に思えたとしても、日本の議会政治を立て直すことではないか。今の日本に政党を律する「政党法」が存在しないことが真の問題であるように思われる。
いわば会社法なき会社のようなもので、日本政治を蝕むパー券政治のような「腐敗」が進行すると、その都度弥縫策が取られ、不十分だと感じた怒れる有権者が「お灸」を据えることが繰り返されてきた。しかし、石破氏も愛読するというギリシャ哲学の碩学・田中美知太郎は「必要とされるのは感激や熱狂ではなく、しらふの冷静な勇気である」と言っている(田中美知太郎政治論集『市民と国家』130頁、サンケイ出版1983年)。
ガバナンスの構築とコンプライアンスの確保を両輪とする「政党法」を制定し、政党交付金の範囲内での政党運営を常態化させる政治のリスケーリング(縮尺変更)を図り、会計処理の明確化と民意反映回路の再構築を確立させることが、日本の政治を立て直す「大道」となるように思われる。混乱を極める今、冷静にその大道を描き果断に実現させた政党こそが、今後の日本政治を担うことになるに違いない。
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