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投票日まであと1週間...米大統領選「5つの争点」を徹底解説 独自調査で見えた「最大の争点」は?

ニューズウィーク日本版 / 2024年10月30日 14時22分

ALIHAN USULLU/ISTOCK (HANDS)

ニューズウィーク米国版編集部
<本誌独自の長期調査で、有権者が最も重視する問題が見えてきた。経済、中絶、移民、戦争、どの争点が「トランプvsハリス」の行方を左右するのか──>

ニューズウィークが積み重ねてきた世論調査によると、今回の大統領選では人工妊娠中絶の是非が移民問題を抜いて2番目に重要な争点となっている。もちろん最大の争点は経済だ。情勢は拮抗しており、最終的にはジョージア州、ミシガン州、ペンシルベニア州、アリゾナ州といった激戦州ではわずか数千票の差で勝敗が決する可能性もある。

では有権者の最大の関心事は何か。答えを探るため、本誌はレッドフィールド&ウィルトン・ストラテジーズ社に依頼して過去16カ月にわたり世論調査を実施。今度の大統領選で投票に際し、最も重視する問題を3つまで選んでもらった。

結果、繰り返し上位に挙がったのは「経済」と「中絶権」、そして「移民」の問題だった。これらの問題に関してどのような主張を打ち出すかで票の出方は変わってくる。

「これほど激しく競り合っている政治状況の下では、どちらの陣営も取りこぼしは許されない。経済も中絶権も、移民や民主主義、法の支配の問題もそうだ」。ペンシルベニア大学のケーリー・コリアネーゼ教授(政治学)は本誌にそう語った。

一貫して最大の関心事とされたのは「経済」だが、ここへきて注目されているのが「中絶権」の問題。昨年7月の第1回調査では21%だったが、直近の今年10月では38%まで増えており、過去5カ月のうち4カ月では「移民」の問題よりも多くの関心を集めていた。

ガザとウクライナで戦争が続くなか、外交・防衛政策にも14%前後の注目が集まる。

合計19回の世論調査が実施され、対象となった有権者は累計で3万4800人。その多様な回答から浮かび上がってきた5つの争点について、本誌記者が解説する。

◇ ◇ ◇

経済

ILLUSTRATION BY BRITT SPENCER

共和党のドナルド・トランプ支持者の4分の3以上は、アメリカ経済が間違った方向に向かっていると考えている。専門家によれば、そのせいで民主党のカマラ・ハリスは負けるかもしれない。

インフレは落ち着き、金利は下がり始めているが、10月時点の本誌の調査では、共和党寄りの有権者の79%が経済の現状に否定的だった。この数字は昨年9月時点と同じだ。一方、民主党寄りの有権者で否定的な見方はわずか23%で、昨年9月時点に比べて16ポイントも減っている。

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