カナダ発、再利用しづらい竹の割り箸をアップサイクルするスタートアップが日本に上陸
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月31日 10時48分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)
<従来リサイクルに向かないとされていた竹製の割り箸がスタイリッシュなテーブルなどに......>
日本で1年間に使われる割り箸の量は、最近は約140億膳にのぼるという。国民1人当たりに換算すると年間約110膳も消費している。木製、竹製、プラスチック製と様々な素材の割り箸が出回っているが、ほとんどは中国から輸入される木箸や竹箸だ。
近年、割り箸は森林保護の観点から、竹を用いることが増えている。竹は驚くほど成長のスピードが速い。繁殖力も強く、供給が安定している。8年後には、世界の割り箸は木製が6割、竹製が2割近くになると見込まれている(割り箸の市場調査)。日本では、木の割り箸は紙類製造の資源として再利用されているが、竹の割り箸はリサイクルには向かず、普通は廃棄されるという。そんななか、素材にかかわらず日本の割り箸の廃棄をさらに減らそうと、いま、カナダの企業が日本での事業展開に乗り出した。
チョップバリューのマイクロファクトリーでは割り箸を圧縮加工してアップサイクルする ChopValue / YouTube
1億8千万本以上をリサイクルした実績
バンクーバーのチョップバリュー(2016年設立)は、外食産業から使い終わった割り箸(木製と竹製)を無料で回収し、それを板に加工し、テーブルや椅子、小物を製造販売している。再利用の作業は、マイクロファクトリーと名付けられた独自の工場で行われる。集めた割り箸は仕分けし、水性樹脂コーティングして乾燥後に圧縮して板にする。
同社の躍進は目覚ましく、バンクーバーのみならず、北米や東南アジアを中心にほかの都市にもマイクロファクトリーをオープンしている。フランチャイズ化をさらに進め、数年後は150カ所以上で展開したいという。
チョップバリューの製品は、最近ではメキシコシティーのケンタッキーフライドチキンに導入されるなど、多数の飲食店で使われている。オフィスでも導入されており、公共施設ではバンクーバー国際空港で使われている。個人で購入したい場合は、同社のオンラインショップで買うことができる。
同社は現在までに1億8414万本以上の割り箸をリサイクルし、リサイクルの過程全体で910万㎏のCO2排出量を削減した。
川崎市に、日本初の工場オープン
チョップバリューは、とりわけ、日本と中国とアメリカでマイクロファクトリーの数を増やす計画だ(同社の2023年版サステナビリティ・レポート31ページ)。
この記事に関連するニュース
-
力学の専門家が説く「割り箸をキレイに割るコツ」 ポイントは「水平」「利き手」「指3本」にあった
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月10日 7時0分
-
竹素材の歯ブラシ・ヘアコームがコースターに生まれ変わる!アメニティアップサイクルサービス開始
PR TIMES / 2024年11月8日 10時45分
-
東海理化のアップサイクルブランド『Think Scrap』、UACJと「珈琲博覧日2024」に共同出展
PR TIMES / 2024年11月1日 20時40分
-
トリナソーラー、ゼロカーボン工場および廃棄物埋め立てゼロ認証をテュフ・ラインランドより取得
共同通信PRワイヤー / 2024年10月17日 14時46分
-
【2024年度 グッドデザイン賞 授賞】竹素材やプラスチック類などの廃棄ごみを製品化するアップサイクルサービス「Trash to Treasure / トラッシュ トゥ トレジャー」
PR TIMES / 2024年10月16日 16時45分
ランキング
-
1米当局、ハイチ便を30日間運航禁止 旅客機の銃撃被害受け
ロイター / 2024年11月13日 9時7分
-
2中国の暴走、SNSに悲惨な光景 「誰か助けて」映像で叫び響く
共同通信 / 2024年11月12日 21時22分
-
3イランのミサイル180発、イスラエル首相「3500億円が無駄に使われた」…再報復けん制
読売新聞 / 2024年11月13日 11時38分
-
4カンタベリー大主教が辞意 英国教会の最高位、少年虐待受け
共同通信 / 2024年11月13日 9時30分
-
5迷惑系ユーチューバー、ジョニー・ソマリ容疑者を在宅起訴 韓国検察
AFPBB News / 2024年11月13日 10時12分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください