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アメリカを「脱出」したいアメリカ人の割合が史上最高の5人に1人に急増

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月6日 17時45分

移住ほど大きな決断をしてまで出ていきたい理由は(写真はイメージです) Brian Logan Photography/shutterstock

マヤ・マララ
<アメリカを脱出したい理由について、「政治的な二極化」を挙げる専門家も。世界の移民の行き先としての人気も落ちている>

ギャラップが実施した新しい世論調査によると、アメリカを脱出して海外へ移住したいと考えるアメリカ人の数が過去最高に達した。

ギャラップが世界の人々に聞いた調査をみると、自国からの移住を希望する回答者は、10年前に比べて大幅に増加している。2023年には、世界の成人の16%が、海外への移住を希望している。これは2011〜2018年にかけての記録を上回っている。

 

アメリカはカナダと同じグループに分類されているが、2011年には10%だった海外への移住希望者の割合が2023年には18%に上昇した。

2023年に海外への移住希望者が過半数を超えたのはアフリカの貧しいサハラ以南の地域だった。逆に最も少ないのは東アジアだ。

調査は、142の国と地域で14万6000人の成人を対象に行われた。

南米やカリブ海諸国、東南アジアなどでは移住希望者が減少したか、あるいは横ばいになっている。一方、アメリカ人の移住希望者は過去12年間、着実に増加している。

アメリカとカナダは、移民たちの目的地の1位と2位であるにもかかわらず、その国民の多くは、国外への移住を希望しているのだ。2023年にはアメリカ人の17%が移住を希望していたが、2024年にはその割合は21%に上昇した。



ギャラップのワールドニュース担当編集長を務めるジュリー・レイは本誌に寄せた声明の中で次のように述べている。「人々の移住願望に関するギャラップの最新調査結果は、意図というより、むしろ希望を反映している。それは、何億という人々が、さまざまな理由から、自国以外の国に惹かれる、あるいは自国から出ていきたいと感じているわけだ」

「そして、世界中のほとんどの場所で、この願望は消えていない。アメリカやカナダのような移民受け入れ国のなかでは記録的なレベルだ。もちろん、カナダ人やアメリカ人の20%が、明日にでも荷物をまとめて国を出ようとしているというわけではないが、彼らが国を出たがっているという事実は注目に値する」

 

アメリカの人気は、アメリカ人だけでなく移民の間でも落ちている。世論調査によると、2017年以降、移民の間で将来住みたい国としてのアメリカの人気が低下している。

2007〜2009年にかけて行われた移民調査では、回答者の24%、つまり全世界の成人1億6500万人が、135か国の中で「永住したい移住先として最も望ましい国」としてアメリカを挙げていた。

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