オードリー・タンが語る「独学と孤独」 答案を白紙で提出し、14歳で学校を辞めた天才の思考
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月8日 16時50分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
<IQ160、世界最高の頭脳とも称されるオードリー・タンの生き方から、一般人が学べることは実は多い。独学する者は孤独に耐えろ――ではない>
オードリー・タン(唐鳳)、43歳。
パンデミックが世界を覆っていた頃、「コロナ対策の成功例」といわれた台湾でITをフル活用した対策を牽引し、世界の注目を集めたのが、当時デジタル担当相を務めていたオードリー・タンだった。
若き天才と呼ばれたオードリーは、8歳から独学でプログラミングを学び、14歳で中学を退学、15歳で起業している。
オードリーは言う。
「ソーシャルコミュニティの時代、真の成功とは、価値の『共創』により達成されるものだ」
オードリーが考える「共創の精神」とはどのようなものか。果てしないネットの海と複雑化する世界の中で、右往左往せず生きていくにはどうすればいいか。
働き方から学び方、時間の使い方、心の整え方まで、世界最高の頭脳から人生の質を高める方法を学べる最新作『オードリー・タン 私はこう思考する』(かんき出版)より、一部を抜粋・再編集して紹介する(本記事は第1回)。
◇ ◇ ◇
独学は「孤独」ではできない
14歳のときに学校へ行くのをやめ、独学の道を進んだオードリー・タンは、独学では「孤独にならないことが最も重要」だと強調する。また、「問題解決の責任を一個人に負わせない」ことが重要だともいう。将来、新しい壁にぶつかっても、その重責は自分一人の肩にかかっていて、なんとしても自力で解決しなくてはいけないと考える必要はない。
独学をする者にとって、「孤独にならない」「問題解決の責任を一個人に負わせない」と意識することが重要なのはなぜだろうか?
台湾では、ホームスクーリングでの学習者が年々増えており、2019年には8000人あまりに達した。そのとき、台湾で最も有名かつ早くから独学の道を切り開いていたオードリーは、「独学者がまず克服しなければいけないのは孤独という感情だ」と考えた。
自分の居場所を探していたころ、互いに信頼し合えるコミュニティが一つもなかったとしたら、たとえオードリーであってもあらゆる方面に思考を巡らせることは難しかっただろう。思考は個人の経験の範囲内に限定され、その深さも制限されてしまうからだ。
自分は何の後ろ盾もない孤独な存在だと感じずにすむところに、コミュニティに参加するメリットがある。
競争より共創という考え方
この記事に関連するニュース
-
オードリー・タンは生活にも「/」を入れる...「スラッシュワーカー」になる方法、超える方法
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月15日 11時35分
-
世界の若者を苦しめる「完璧主義後遺症」...オードリー・タンは「ジグソーパズル」にたどり着いた
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月14日 17時10分
-
【東進調査】社会人と高校生のデジタルスキルを比較「プログラミング的思考力」等で高校生が社会人を上回る
共同通信PRワイヤー / 2024年11月11日 12時0分
-
発売前重版決定!オードリー・タン、約2年ぶりの最新刊。世界屈指の頭脳が実践している人生の質を高める方法がこの一冊に
@Press / 2024年11月7日 10時0分
-
オードリー・タン氏実践「睡眠記憶法」の超合理性 睡眠の効能を最大限活用する徹底した工夫
東洋経済オンライン / 2024年10月30日 14時0分
ランキング
-
1【独自】住民税非課税世帯に3万円検討 子1人2万円上乗せも、物価高で
共同通信 / 2024年11月13日 21時42分
-
2世界初!「おむつファッションショー」開催の狙い おむつは白だけじゃない!企画が始動した背景
東洋経済オンライン / 2024年11月15日 9時30分
-
3半導体バブルに異変「AIかそれ以外」明暗くっきり "異次元の生産"に沸くアドバン、赤字のローム
東洋経済オンライン / 2024年11月15日 7時30分
-
4郵便局でポイント獲得=商品と交換―日本郵政
時事通信 / 2024年11月15日 16時53分
-
5実は絶品「富士そばのカレーかつ丼」誕生の背景 ある意味珍メニュー?はこんなふうに生まれた
東洋経済オンライン / 2024年11月15日 8時50分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください