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オードリー・タンが語る「独学と孤独」 答案を白紙で提出し、14歳で学校を辞めた天才の思考

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月8日 16時50分

産業革命の時代、詰め込み式教育により、知識は工場の生産ラインのように自動的に伝承され、蓄積されて、工業化を推し進める力となった。だが、現在の人類は、急速な気候変動・AI・ビッグデータ・遺伝子工学・アルゴリズムなど、かつてないほどさまざまな課題を抱えている。

過去の知識をいくら蓄積しても、未来の問題は解決できない。現代社会を生きる者は、どんな年齢層であっても、つねに新しいことを学び続け、未来に対する認識をアップデートしていくことが求められる。

「そのような世界で生き延び、栄えるには、精神的柔軟性と情緒的なバランスがたっぷり必要だ」この言葉は、オードリーがこの世界を理解したり、知識体系を構築したりするときの心境を表現するのにぴったりだ。

『オードリー・タン 私はこう思考する』
 オードリー・タン [語り]
 楊倩蓉[取材・執筆]
 藤原由希[翻訳]
 かんき出版

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オードリー・タン
元台湾デジタル担当政務委員(閣僚)。台湾初のデジタル大臣、台湾の無任所大使である。1981年、台湾台北市生まれ。幼少時から独学でプログラミングを学習。14歳で中学校を自主退学、プログラマーとしてスタートアップ企業数社を設立。19歳のとき、シリコンバレーでソフトウエア会社を起業する。2005年、プログラミング言語Perl6開発への貢献で世界から注目を浴びる。トランスジェンダーであることを公表。2014年、米アップルでデジタル顧問に就任、Siriなどの人工知能プロジェクトに加わる。その後、ビジネスの世界から引退。蔡英文政権において、35歳の史上最年少で行政院(内閣)に入閣、デジタル政務委員に登用され、部門を超えて行政や政治のデジタル化を主導する役割を担った。2019年、アメリカの外交専門誌『フォーリン・ポリシー』のグローバル思想家100人に選出。台湾の新型コロナウイルス対応では、マスク在庫管理システムを構築、感染拡大防止に大きく寄与した。

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