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沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はもはや「味噌汁」ではない

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月16日 10時25分

沖縄に来るときには、日本語が通じる外国だという覚悟で臨むべし?(沖縄料理の一例) KPG-Payless2-shutterstock

印南敦史(作家、書評家)
<時間の流れも、料理の中身も、本土と異なる。沖縄の人は「70点主義者のテーゲー」で、まるで華僑のようらしいが、本当はそれでいいのかもしれない>

書名に「知っておくとビジネスも人間関係もうまくいく!」と副題がついていることからも分かるように、『沖縄ルールーー知っておくとビジネスも人間関係もうまくいく!』(伊波 貢・著、あさ出版)は基本的にはビジネス書である。

つまり、沖縄の人とやりとりをするビジネスパーソンを対象としているわけだが、純粋に沖縄の人の感じ方や考え方などを理解するためにも役立つのではないかと感じる。

逆に言えば、沖縄の人と交流するのであれば「沖縄ルール」、すなわち「沖縄の常識」を知っておく必要があるということなのかもしれないが。

 沖縄へ移住・転勤してくる方には、沖縄社会にしっかりなじむ人もいれば、「だから沖縄の人はダメだ」とプンプン怒って短期間で帰る人もいます。その違いは何でしょうか。「オキナワ・ルール」を理解せず、従来のやり方のまま、沖縄で仕事や生活しているためではないか、と私は考えています。もちろん、日本国内のローカルエリアでも同様の現象が起きていると思いますが、その振れ幅が沖縄の場合、大きいのだと思います。(「はじめに 沖縄に来るときには、日本語が通じる外国だという覚悟で臨むべし」より)

「沖縄進出コンサルタント」という変わった肩書きの持ち主でもある沖縄出身の著者は、このように分析している。

清国の影響を受けつつ琉球王国として450年も栄え、明治初期に日本に編入。さらに戦後の米軍統治下を経て、1972年にようやく日本に復帰したという特異な歴史が沖縄にはある。

そうしたプロセスを経てさまざまな国の影響を受けてきた沖縄の人々に接するのは、ナイチャー(沖縄県外の日本人すべてを指すことが多い)にとって困難であり、違和感を抱えるのも当然なのだ。

もちろん、ウチナーンチュ(沖縄の人)にとってもそれは同じだろう。お互いに、ストレスがたまってしまう関係性だということだ。

沖縄出身である著者自身、大学卒業後に東京の証券会社で働いたのち沖縄に戻ってきたときには、かなりのカルチャーショックを受けたそうだ。仕事の質や進め方、対人関係など、ひとつひとつのことに違和感を抱いたというのである。

沖縄の人ですらそうなのだから、内地の人に心労がたまっても無理はない。しかも、両者ともに自身のバックグラウンドに従って生きてきただけなのだから、どちらかが悪いわけでもない。

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