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なぜ今さら長射程ミサイル解禁なのか、ウクライナ戦争をめぐるバイデン最後の賭け

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月18日 15時34分

訪米したウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談中のバイデン(9月27日、ホワイトハウス) Al Drago/Pool/ABACAPRESS.COM

ナタリー・ベネガス
<ウクライナに米国製兵器でロシア領内を攻撃することを許可したバイデン政権に対して、戦争をエスカレートさせるのかとトランプ支持派がX上で猛烈な批判を展開している>

ロシアとウクライナの戦争が長引くなか、ジョー・バイデン米大統領は11月17日、ウクライナに対し、米国製の長射程ミサイル「ATACMS(陸軍戦術ミサイルシステム)」を使用してロシア領内深くを攻撃することを承認したと報じられた。これに対して、ドナルド・トランプ次期大統領の支持者らがソーシャルメディア上で反発している。

ロイター通信は、バイデン政権の今回の決定に詳しい3人の情報筋の話として、バイデンはウクライナに対し、アメリカが提供する兵器をロシア領内の攻撃に使用することを許可する予定であり、国境深くへの最初の攻撃は数日中に行われる可能性が高いと報じた。使用されるのは、最大射程300キロのATACMSミサイルになる模様だという。



ウクライナは何カ月も前からロシア領内への長距離攻撃の許可を求めてきたが、バイデンは戦争の拡大を恐れてこれを許可しなかった。だが、ロシアが北朝鮮兵をウクライナ戦線に派遣するという決定を下したことで、政権の考えは一変した。

プーチンは9月12日、西側の長距離ミサイルをロシアに使用することを可能にする決定は、NATOがロシアとの戦争に直接参戦するものとみなされ、「戦争の本質」を大きく変えるだろうと述べて牽制した。



バイデン政権の決定はすぐに反発を招き、トランプ支持者の一部がX(旧ツイッター)で、戦争の早期終結という公約のトランプに対し、任期残り2カ月のバイデンがウクライナ戦争をエスカレートさせるようとしていると非難した。

ジョージア州選出の共和党議員のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員は、バイデンをこう非難した。「アメリカ国民は11月5日の大統領選投票日に、外国の戦争に資金を提供したり戦ったりすることを望まないという考えを明らかにした。われわれは自分たちの問題を解決したいのだ。もうたくさんだ。こんなことはやめなければならない」



ベンチャーキャピタリストで政治経済の話題を配信するオールイン・ポッドキャストの共同ホストを務めるデービッド・サックスもXに投稿し、「トランプはウクライナでの戦争を終わらせる権限を勝ち取った。では、バイデンは任期最後の2カ月で何をしようというのか? 大規模な戦争拡大だ。彼の目的はトランプに最悪の状況をもたらすことだ」

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