なぜ今さら長射程ミサイル解禁なのか、ウクライナ戦争をめぐるバイデン最後の賭け
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月18日 15時34分
ユタ州選出のマイク・リー上院議員(共和党)がXに投稿した「リベラルは戦争が大好き」「戦争は大きな政府を促進する」というコメントに対しては、実業家でトランプ政権に入る予定のイーロン・マスクが「これは真実だ」と返信した。
バイデンの決断についてトランプはまだ声明を出していないが、長男のドナルド・トランプ・ジュニアはXにこう書いている。「軍産複合体は、父が平和を創造し命を救うチャンスを得る前に、確実に第3次世界大戦を起こしたいようだ。何兆ドルもの資金を確保しなければならない。無駄に命が失われる! 愚か者め!」
保守系学生団体ターニングポイントUSAの創設者チャーリー・カークは、Xでこう主張した。「バイデンは第三次世界大戦を起こそうとしている。病的だし、完全に頭がおかしい。アメリカの兵器をロシアの内陸に撃ち込んだりするべきではない!ロシアがアメリカにミサイルを撃ち込むためにミサイルを供与するようなものだ」
一方、トランプは以前、自分が大統領だったウクライナ戦争は「24時間以内に」終わらせると言った。
しかし、戦争の解決を急げばロシアに占領されたウクライナの領土を奪われたままになるなどウラジーミル・プーチン大統領に有利になる、とトランプの方針を批判する声もある。
これに対してバイデン政権は、政権末期の数カ月間、ウクライナに対する米軍の支援をできるだけ急ぎ、強化し続けることを約束したと、アントニー・ブリンケン米国務長官は13日に確認した。
ロシア軍は最近、ミサイルとドローンでウクライナの首都キエフを73日ぶりに攻撃した。
ブリンケンは、ブリュッセルのNATO本部で、同盟国の特使やウクライナ政府高官との会合に先立ち、記者団に語った。「われわれは、ウクライナがロシアの侵略から効果的に自国を防衛できるよう、ウクライナのために行っているすべてのことを強化し続ける」
さらにこの方針は、北朝鮮が最近、約1万人の精鋭部隊をロシアのクルスク州に派遣したことを踏まえて決定された。ウクライナは今年の夏、国境を越えて予想外の大攻勢をかけ、ロシアとの交渉材料にするためクルスクの一部を占領したが、ロシアは手薄だったクルスク奪還部隊を北朝鮮兵で補強してきたのだ。
バイデン政権は、前線に投入される北朝鮮軍の部隊が今後さらに増え、ロシア軍部隊が優位に立つことを恐れている。米国務省のベダント・パテル報道官は先日、記者団に対し、ワシントンはクルスクの動向について「非常に懸念している」と述べた。
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