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北朝鮮軍がロシアで強くなるのは「決して座視しない」──駐英韓国大使

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月19日 21時1分

250台の新型戦術弾道ミサイル発射台を国境部隊に引き渡す記念式典(8月4日)  KCNA via REUTERS

エリー・クック
<北朝鮮軍部隊のロシア派兵で韓国が恐れるのは、戦場では役に立たないと言われる同胞の兵士が無駄死にすることではなく、生き残った兵士が貴重な戦闘スキルを身につけて朝鮮半島に戻ってくることだ>

ロシアに派兵された北朝鮮軍の兵士たちがロシア兵と肩を並べてウクライナ軍と戦い、朝鮮半島から遠く離れた地で貴重な戦闘経験を重ねるのだとしたら、韓国政府はそれを「決して座視できない」と駐英韓国大使が語った。



尹汝哲(ユン・ヨチョル)大使は本誌に対し、韓国政府は北朝鮮がロシアとウクライナの戦争に関与していることを「今後も注視」していくつもりであり、「ロシアと北朝鮮の軍事協力のレベルに応じて、段階的かつ積極的な措置を講じていく」と述べた。

アメリカ、ウクライナと韓国の情報機関によれば、この数週間で北朝鮮軍の精鋭部隊を含む1万人〜1万2000人の北朝鮮兵がロシア西部のクルスク州に到着している。ウクライナ政府は、クルスク州に派遣された北朝鮮兵の数を約1万5000人と推定している。

またブルームバーグは11月17日に、北朝鮮が数カ月ごとに交代させる形で最大10万人の兵士をロシアに派遣する可能性があると報じており、「韓国政府はロシアに派遣される北朝鮮兵の規模を注視している」と尹は述べた。

韓国はウクライナに殺傷兵器を直接供与することを拒んできたが、アメリカを通じる形でウクライナ軍に不足していた砲弾を数十万発分、提供してきたと報じられている。

また尹は韓国のウクライナ支援に関し、エネルギーや医療、教育機関向けの発電機など4億ドル相当の設備を提供していると説明。さらに20億ドル超の長期的支援の提供を計画しているとつけ加えた。

だが北朝鮮兵がロシアに向かい、その後ロシア軍の制服や装備を身につけているのが確認されて以降、韓国政府は殺傷能力のある兵器の支援について再検討に前向きな姿勢を示している。



韓国大統領府の関係者は10月、「段階的なシナリオの一環としてウクライナに防衛目的の兵器供与を検討するつもりであり、最終的には攻撃用兵器の供与も検討する可能性がある」と述べた。

尹汝哲は「大韓民国(韓国の正式名称)は同盟諸国と連携し、ウクライナが正義と恒久的な平和を確保するために必要な支援を提供していく」と述べた。

ウクライナのルステム・ウメロフ国防相は11月に入ってから韓国のメディアに対し、ウクライナ兵と北朝鮮兵の間で初めて「小規模な衝突」が発生したことを明らかにした。

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