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北朝鮮軍がロシアで強くなるのは「決して座視しない」──駐英韓国大使

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月19日 21時1分

ただし北朝鮮兵にどれだけの犠牲者が出たか、また何人の兵士が戦争捕虜になったかは確認できていないと述べていた。

「北朝鮮が独裁体制を維持するために自国民の命を顧みず、若い兵士たちを『使い捨て要員』にしていることは非常に遺憾だ」と尹は述べた。

米シンクタンク「アジア太平洋戦略センター」の上級研究員で元脱北者のパク・ジヒョンは以前、本誌に対し、北朝鮮では軍事訓練を受けた兵士の多くが農業や建設業などの非軍事的な業務に従事しており、集中的な戦闘訓練を受けることはほとんどないと説明。

ロシアに派遣された全ての兵士が精鋭部隊「暴風軍団」の隊員、あるいは潜入や暗殺の訓練を受けたエリート兵士である可能性は低いと述べていた。

しかしウクライナでの戦闘で生き残った兵士たちは、北朝鮮軍が擁する100万人超の兵士たちが持たない「戦闘の実体験」を得ることになる。北朝鮮と韓国の間の戦争(朝鮮戦争)は1953年に休戦となったものの、正式には終わっていない。

尹汝哲は「北朝鮮が戦闘経験を積み、武器の実際の運用データを入手し、ロシアからの経済支援を通じて核開発やミサイル開発の資金を調達すること、さらには軍事技術や通常兵器の近代化を行う上でロシアから支援を得る可能性を懸念している」と述べた。

韓国にとって最大の脅威である北朝鮮は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナへの本格侵攻を開始して以降、ロシアと関係を深めている。

ウクライナを支援する国々から「のけ者」にされているロシアは今年に入って、北朝鮮と相互防衛条項を含むパートナーシップ条約を結んだ。

北朝鮮はロシアに弾薬やミサイルを供給しつつ、国内で開発・製造した弾薬やミサイルを実際の戦闘で試している。

一方、ロシアは北朝鮮に対し食料支援や核開発計画に関する支援をしているとされる。これは国連の制裁に違反する行為であり、国際社会からも広く非難の声が上がっている。

北朝鮮は今年に入って複数のミサイル実験を行っている。数週間前には新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星19」の発射実験も行っており、挑発的な姿勢を強めている。

韓国との統一を目指す方針は放棄し、憲法改正で韓国を「敵対国」と定義、南北朝鮮を連結する道路や鉄道の一部を破壊した。

さらに、ごみを詰めた風船を繰り返し韓国に向けて飛ばしており、尹汝哲はこれを「卑劣な挑発行為」だとしている。彼によれば、これまでに6000個を超える風船が飛ばされているという。

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